
「お話のアイデアは、どんな時に思いつきますか?」
「キャラの性格などの設定をどのように考えていますか?」など、
たくさんの質問ありがとう♡
『トップ・シークレット』の作者:あんのまるさんが
読者のみなさんからの質問に、こたえてくれたよ!



実はここだけの秘密なのですが……いまから十数年前のお話をしたいと思います。
わたしは小学2年生のときに、児童小説家になるぞ! と決意をして、たくさんの物語を書きました。そして、小学4年生になったころに、小説賞への応募をはじめました。
その当時のわたしは、世界の秘密機関のスパイになったら、こんなミッションをしてみたい、不思議な力を持っていたらこんなことをしたい! と、想像してワクワクしていました。
それから10年ほどの時が流れた、大学生のとき。ある日とつぜん、ナノとレオの登場する【差出人不明の手紙】がポストに届いてーー
もうおわかりですね。これが、毎巻のあとがきに書いているように、スパイ学園を舞台にした『トップ・シークレット』の物語を書いたきっかけにつながります。
ここだけの秘密ですよ!


アイデアやシーンを思いつくタイミングは、本当にさまざまです。情報を集めて探すときもあれば、自然に思いつくときもあります。
自然に思いつくときは、音楽にのせてナノたちが勝手に頭の中で踊ったりしてるときに、ハッとひらめくことが多いです。
あとは、洗濯物をほしているときに、頭の中で勝手にシャルルがするどいことをバシッと、言うだけ言って去っていくことがあります。
そんなときは、やっていることを全部止めて、忘れないようにメモをとります。わたしはいつも、ナノたちにふりまわされています(笑)。
また、わたしが大すきなのが、担当編集者Oさんとの打ち合わせです。Oさんと電話や会って話していると、どんどんアイデアを思いつきます。
ここだけの話、Oさんは人生を3回くらいくり返していて、このシリーズを面白くする秘けつを知ってるんだと思います(笑)。
思いついたアイデアは、いつも持ち歩いているアイデア帳や、スマートフォンのメモ機能に書いたりしています。アイデア帳は、1巻に1、2冊、大学ノートを使っています。
そこには、「マキ、ポップコーンにコーラかけてる」とか、そんな一言でも、全部メモしています。


わたしの子どものころを一言で表すと、『自分が大すきな変な子』でした。
わかりやすい例でいうと、集合写真のとき、一番前で地べたにねころがってピースするような子でした。伝わったでしょうか? とにかく目立つのが大すきだったんです(笑)。
四人兄姉の末っ子で、夜ごはんのときに兄が話していても、まあまあわたしの話を聞きなさい、とわりこんで自分の話を永遠にしていました。なんてわがままなんでしょう(笑)。
合唱団で歌ったり、水泳をしたり、マンガを描いたり、ペルーという国の伝統ダンスをしたり。兄姉の影響でバスケ部に入り、マンガに影響されてトリッキーな技を練習したり、親友たちとロックバンドを組んでドラムをしたり、たまにやんちゃして反省文を書いたりしていました。
とにかく、いろいろなことをした経験が、全部、小説に活きていると思います。全部ネタにできますからね(笑)。
昔の自分をふり返って、"変わった子"だったなぁ、と思いましたが、いまのわたしにもしっかり変なところがあるので、『変わってる』ところにむしろ誇りと愛きょうを感じています(笑)。


いろんな本を読んでいます! 最近は2巻に登場した『ノートルダム・ド・パリ』や、4巻に登場する『ロミオとジュリエット』などの古典に挑戦しました。その本が、わたしにとってむずかしいな、と思うときは、読みやすくなったものや、解説本などを片手に読んでいます。
他にも、詩集や児童書や漫画、それから海外のヤングアダルト小説が大すきです! わたしの愛読書は、メグ・キャボット先生の『メディエータ』です。最高にクールでキュートなお話なんです!
ちなみに本以外には、アニメやゲーム、映画や朗読劇、ミュージカル、バレエなど、いろんなものがすきです。演劇もすきで、昔は演じたりもしていました。
"物語"があって、気になるものがあれば、とりあえず読んだりふれたりしています!


いまこのアンケートを読んでいるあなたが、"知らない相手"に、文章と絵だけで"自分のことを伝える"となったら、どんなことを書きますか?
しかも、その相手が、自分を主人公にして物語を書くとなった場合!
わたしは、登場する人物を、より深く描写するために、一人ずつ、"人生シート"という表を作っています。
その表には、そのキャラクターの人生にどんなことがあったのか、それから、照れたときのクセや笑い方、好きな画家や本など、細かいところまで書きこんでいます。
具体的には、シャルルがくやしいときに親指の爪をかむくせなどが、本文で出てきたりしてるんですよ、探してみてくださいね!
また、手紙のなかで描写の少なかった人については、わたしがいままで出会ってきた色々な人を具体的にイメージして書いています。
その人自身をモデルにするというよりは、この人から言われたこんなセリフが強烈だったな、とか、この人のくせの強いところがすきだな、と思うものを取り入れたりしています!


ドキドキハラハラすると言っていただけてうれしいです。
わたしは、このシリーズが大大大すきです。どれだけすきかというと、もう起きている間はずっと『トップ・シークレット』のことを考えて書いていたいくらいすきです(笑)。
なので、まずは自分が楽しみながら、爆笑して泣ける物語を書くことを意識しています。いつもナノたちがわちゃわちゃしてるシーンは、わたしも声を出して笑いながら書いています(そのため、いつも家で書いています)。
コツは、自分の作品が『世界一面白い』と思いながら書くことかもしれません。その方が楽しいですしね。


わたしの場合は、映画のワンシーンみたいに、ナノたちが頭の中で動きます。それを、忘れないうちに、あわてて文章にしています。
そして、その映像を細かく見るためには、その場所がどれくらい広くて、どんなカーペットで、どんなかざりがついてるか、くわしく知らないといけません。
そうでないと、ナノが暴れる周りの景色がぼやけた白いカベのままだからです。
なので、しっかりその場所をイメージできるように、その場所の歴史などもふくめていっぱい調べることを意識しています。
写真や動画を見て、その場所の環境音や奥行きを見てみたり、行けるときは、実際にその場所に行って、取材をしたりしているんです。
4巻を書くときは、実際にイギリスに行ってきました!
スコットランドの首都エディンバラや、イングランドの首都ロンドンで、ナノやレオたちが、実際にここを歩いていたんだなぁ、と考えながら、たくさん写真をとってメモをしました。
わたしは取材が大好きなので、全部の巻の場所に、いつか行きたいです!


数名あげるなら、1人目は、ギルですね。どんどん届いてくる手紙のなかで、ギルの過去がわかるシーンがあるのですが……(つづきを楽しみにしていてください) いつもの明るさとのギャップに、グッときました。
あと、彼の、よりそうようなやさしい言葉がすきなんです。
もう1人は、シャルルですね。彼女の経験や考えから出る言葉に、いつもハッとさせられます。4巻では、シャルルの過去が明らかになるのですが、シャルルがいままで2、3巻で言ってきた言葉を思い出しながら読むと、心にくるものがありました。
もちろん、ナノもレオも、マキもティルも、ほかの登場人物も、みんな尊敬できるところがあり、何よりかわいくて大すきです。


小中学生の頃の自分が、1番似ているのは、ナノだと思います。
机の上がぐちゃぐちゃで、宿題のしめきりに泣きながら、すきなことだけをしたいといつも思っていましたから(笑)。いまはそんなことありませんよ、本当ですよ。ちゃんと机の上は整とんしています(笑)。
似ているからこそ、ナノのかっとうや苦しさがすごく理解できて、書きながらナノと一緒に泣いてしまうときもあります。
でも、いま、大人になって、いろんな登場人物を見ていると、どの子の感情も「わかるなぁ、似てるなぁ」と思います。『トップ・シークレット』という物語と一緒に、わたしも成長させてもらっています。


『とりあえずやってみる』です。
わたしもまだまだ人生初心者なので、わからないことがたくさんあります。
なので、空を飛ぶ感覚がわからなかったら、パラグライダーをしてみたり、ラクダについて知りたくて会いに行ってみたり、海の中で呼吸をする感覚を知るために、スキューバダイビングをしてみたりしました。
このように、とりあえずやってみています。10年後には、宇宙旅行にいってみたいです!
もう一つあげるなら、『いま、わたしは最高か?』です。
わたしは、自分がいま人生を楽しめているか、よく自分に確認します。楽しめていないときは、その原因をつきとめて、いっぱい自分をあまやかしています。
そして、客観的に自分をみたときにも「最高」か、たとえば自分が周りに感謝できているか、しめきりは守れているか、いまの自分をちゃんと誇れるか、確認します。できないときもありますが(笑)。


『戦闘部』にはいります! かっこいい格闘技と変装をいっぱい練習して、コードネーム:アンノマルになります。
スパイアイテムを使いこなして、敵のアジトに潜入捜査して世界を平和にする、サングラスの似合うクールなスパイになります!
CSCOのみなさん! ゼイン! スカウトはいつでも大歓迎ですよ! 連絡まってます!


この質問に、にっこり笑ってしまいました。わたしは、この前届いた手紙を読んで「えっ‼︎」とおどろいて声が出てしまいました。
真実は、5巻で明らかになるかな、と思います。それまで、楽しみに待っていてください!


たくさんの質問をありがとうございました!
質問のおかげで、作品や自分の昔のことを振り返ることができて、とても楽しかったです!
これからも、「トップ・シークレット」を一緒に見守ってもらえたらうれしいです。
1月12日発売の『トップ・シークレット④』で、お会いできるのを楽しみにしています!
常に正義を心に!

次回2月のつばさ講座は…
2月にそれぞれ最新刊が発売予定の
「サキヨミ!」「理花のおかしな実験室」から
