つばさ講座

つばさ講座スペシャル企画その4 第5弾「ふたごチャレンジ!」七都にいさんが読者のみんなからの質問にこたえてくれたよ!

「勉強と小説書きの両立、たいへんじゃないですか?」
「キャラの名前はどうやって決めるの?」など、
たくさんの質問ありがとう♡
『ふたごチャレンジ!』の作者:七都にいさんが
読者のみなさんからの質問に、こたえてくれましたよ!



つばさ小説賞に選ばれたとき、どう思いましたか?(うさぎさん)

こたえ

 ものっっっすごくビックリしたし、うれしかったです。私自身、小学生のころにつばさ文庫の作品を夢中になって読んでいた、つばさ文庫読者だったので……!
 とくに、秋木真先生の『怪盗レッド』シリーズや、宗田理先生の『ぼくら』シリーズが好きです。小説を書くようになったのも、中学1年生のときに、つばさ文庫のホームページでこども部門の募集をしているのを知ったからでした。
 小学生のころからずっと大好きなレーベルで、自分が書いた作品をえらんでもらえたことは、今でも夢なんじゃないかなと思うときがあります。電話で編集者さんから「金賞です」と選考結果を教えてもらったとき、緊張のあまり頭が真っ白になっていて……。電話の最後あたりで「あの、金賞ですか……?」とおそるおそる聞きなおしました(笑)。


キャラクターの名前はどうやって決めていますか? (はなさん、ほか多数)

こたえ

 あかねとかえでは、ふたごだとわかりやすい名前にしようと意識しました。まず、パッと「双葉」という苗字が思いうかんで。じゃあ名前は、「双葉」から連想される、植物系のふたごっぽいものにしよう! ――ということで、「双葉あかね」と「双葉かえで」になりました。
 ほかの子たちは、フルネームが現実世界にいそうでいないものになるように意識して決めました。個人的には、「柴沢藤司」が一番いそうでいない名前にできたんじゃないかなと思っています。


本のストーリーやアイデアは、どのようにしてうかびますか? (みぃなさん) 吉良くんはどのようにして思いついたんですか? (nanakiさん)

こたえ

 おおまかな話の流れは、電車に乗っているとき、ご飯を食べているとき、寝る前とか、ふとした瞬間に考えています。それで、気がつけばすごーくざっくりした話の展開が頭の中で決まっている、ということが多いです。細かいエピソードは、パッと思いつくこともあれば、パソコンの前で首をかしげながら、ムリやりひねり出すこともあります。
 「吉良辰紅」というキャラクターが生まれたのは、本屋さんで、表紙にマスクをつけた男の子がいるマンガを見つけたことがきっかけでした。


どうして「ふたチャレ!」を書こうと思ったんですか? (キャラメルフラペチーノさん、伊狛美波さんなど)

こたえ

 最初のきっかけは、大学受験の勉強をしているときに、『とりかへばや物語』に出会ったことです。古典作品で、趣味が男の子っぽい女の子と、趣味が女の子っぽい男の子が主人公のお話です。すごく興味をひかれて、このテーマを児童文庫として書けないかな?と考えました。
 どうして私は『ふたごチャレンジ!』を書こうと決心したんだろう?と考えてみると、私自身、小学生のころに「フツウ」じゃなくて、なやんでいたからなのかもしれません。というのも、私、それはもう、めっっっちゃくちゃ泣き虫だったんです。小学生のころは、世界中で一番か、少なくとも上位に入るくらいには泣いているだろうというナゾの自信がありました。今ふりかえってみても、あんなにめそめそしてる小学生はなかなかいないと思います(笑)。泣きたくないのに泣いてばかりで、でもまわりに私のような子はいなくて。「どうして自分はみんなと同じようにできないんだろう?」って、ずっとなやんでいました。
 そういうなやみがあったからこそ、『ふたごチャレンジ!』を書こうと思ったのかもしれません。


七都さんは「ふたチャレ!」の登場人物のだれに似ていますか? (M.Nさん、ゆあさんなど)

こたえ

 莉々乃かな? 不器用だけど、一生懸命取り組めるところが自分の長所じゃないかなと思っていて、莉々乃に似ていると思います。『おもしろい話、集めました。A』に入っている短編の中に、莉々乃がヘアアレンジの練習をするシーンがありますが、あのお話を書くうえで、私も自分の髪で何度も練習しました(笑)。


大学でどんなことを勉強しているんですか?(いちごさん)

こたえ

 私は大学で心理学を勉強しています。心理学って聞くと、人のこころが読めるとか、あやつれるとかを想像するかもしれません。でも、実際はそんなことはなく、むしろ学べば学ぶほど、「人のこころって、むずかしいなあ……」という気持ちになる学問なんじゃないかなと個人的には感じています(笑)。私がまだまだ未熟だからかもしれませんが。
 そして、ひとことで心理学といっても、社会心理学とか臨床心理学とか、いろいろな分野に細かく分かれています。私はその中でも、教育心理学という分野に興味を持って研究しています。ざっくりとテーマを紹介すると、「子どもが困難にぶつかったとき、どうしたらすこやかにのりこえられるのかな?」というのが私の研究の軸です。
 研究はすごくすごく大変ですが、教授にアドバイスをもらいながら少しずつみがきあげていく過程に、とてもやりがいがあります!


作家のお仕事と大学生活の両立は、大変ですか?(モナモナさん)

こたえ

 かなり大変だなあと感じています。小説のしめ切りがある中で大学の授業を受けたり、課題を出したり、実習に行ったり、論文(どんな研究をしたのか、どんなことがわかったのかをまとめたもの)を書いたり、アルバイトをしたり……。私はマルチタスクが得意なほうだと思っていたけど、作家デビューしてから、そんな自信はうちくだかれました(笑)。
 とくに、論文執筆のしめ切りと小説執筆のしめ切りが丸かぶりしたときは、頭をフル回転させながら1日中パソコンに向き合う日々がつづいて、なかなかにしんどかったです(苦笑)。
 作家になりたい人は、いろんなことを効率よくできるよう練習しておくといいかもしれません。



読者の方にメッセージ

 ここまで読んでくれてありがとう! たくさんの質問をいただけてうれしかったです。『ふたごチャレンジ!』は、最高の家族で親友でもあるあかねとかえでが、「フツウ」に立ち向かっていくお話です。手にとってくれた子の心に残ったり、ほっとできたりするようなお話になったらいいなって思いながら、一生懸命書いています!よかったら読んでみてね。
 1月12日発売の4巻もよろしくお願いします! 遊園地でワクワク、でもふたチャレらしい「ドキリ」もたっぷりなお話です。5巻も、今がんばって書いていますよ。
 2人のチャレンジを、これからも応援してくれるとうれしいな!





次回2月のつばさ講座は…

2月にそれぞれ最新刊が発売予定の
「サキヨミ!」「理花のおかしな実験室」から


七海まちさん やまもとふみさん