つばさ講座 スペシャル★企画 その2 「いみちぇん!」「星にねがいを!」ができるまで

モモちゃんや矢神くんはどうやって生まれたの?
キュンとする物語って、どうやって書けばいいの?

ファンのみなさんの声にお答えして、
「いみちぇん!」「星にねがいを!」で大人気の作家・あさばみゆきさんにインタビューを実施!
編集部が、読者のみなさんが超気になる質問を、代わりに聞いてきました☆

あさば→あさばみゆきさん 担当:あさばさんにインタビューをした担当編集者 のコメントだよ!

担当:それではよろしくお願いします。

あさば:ハイ! よろしくお願いします!!

担当:今日は、あさばさんの物語がどうやってできているのか、ファンのみなさんからいただいた質問をもとにお聞きしちゃいます! なんと、先日「あさばみゆきさんに聞きたいこと」を募集したところ、202件もコメントが届きました! みんなありがとう~!

担当:さっそくですが、1つ目の質問っ☆ あさばさんは、いつも、どうやってお話のアイデアを思いついてるんですか?

あさば:いつも、ネタを書きとめているノートを持ってきたんですが……。

担当:うわあ、大きい!

あさば:ここは、2018年ごろに、『星にねがいを!』を考えているページ!
 この本を読んでくれるのはどんな人だろう? とか、主人公はどんな子だろう? とか……思いつくかぎりメモしていって、あとから使えそうなところを使っています。

担当:ぜ~んぶ、書いてしまうんですね!

あさば:頭の中だけでアイデアを出していくと、その時点で、何を書こうかえらんでしまって、なかなか広がらなくて……とりあえずなんでもいいから、単語をどんどん書き出します!!

担当:この本の主人公ヒヨちゃんは、『いみちぇん!』モモちゃんとは、また少しちがった性格の子でしたね。内気なモモちゃんに対して、

あさば:スベりがち!(笑)だって、カンペキな主人公だと、身近だな~って思ってもらえないから、失敗しちゃうようなところも考えるんです。
 主人公ができたら、じゃあ、今度はその子とペアになるヒーローってどんな子だろう? ――っていうように、登場人物を生み出していきます。

担当:まず人を考えて、それから、お話のながれを考えるっていうことですか?

あさば:お話のために人を動かしちゃうのがこわいんです。だから、私は人から考えます!! なにか問題がおきたとき、この子ならこう動くだろう、ってところをはじめに決める。そうすると、出てくる人が人形っぽくならないで、人間らしくなるかなって……まだまだ、わたしも手さぐりですが……(笑)

担当:つづいて、第2問! あさばさんの本の二人組って、とってもキュンキュンするんです♡ 書く時のコツってありますか?

あさば:はじめからふたりが分かりあってると、お話がそこで終わっちゃうので、分かりあえていないってところを作ってあげるといいのかなぁ。
 たとえば『星にねがいを!』の真(しん)は、とっても現実的な子。だけど、ヒヨは直感で生きている子じゃないですか。

あさば:そういう、ふたりの『世界の見方』のちがいがあると、おなじ問題に向かっているときでも、それぞれ全然ちがう方向から考えている。そこから、お話がふくらむのかなって思っています!!
 似た性格の人をコンビにするより、正反対の性格の人とか、考え方がちがうところを作ってあげると、ふくらませやすいです。

担当:じゃあ、モモちゃんと矢神(やがみ)くんだったら?

あさば:モモは引っこみじあんで、フワフワしている雰囲気(ふんいき)ではじまったんですけど、矢神は、はじめっからしっかり者。信念がしっかりしているかわりに、自分の信念以外には目がいかない、頭がかたいところがあって……そのせいでぶつかってしまう2人、というところから、『いみちぇん!』のお話をはじめました。

担当:こんな質問もとどきました! あさばさんご自身と似ているキャラクターや、書きやすい子っていますか?

あさば:なんだろう……家族に言わせると、私すっごいヒヨに似ているらしいんですけど(笑)

担当:そうなんですね!?

あさば:『やらかすところが似てる』って! でも今までの担当編集さんからは、モモのほうが近いって言われたかなぁ。
 書いている子全員、自分と近いところがないと書けないんで、大なり小なり似てるとこがあるのかもしれないですね。
 実は、はじめのうち、すご~く書きづらかったのが矢神なんです!! 矢神はしっかり者なので、うっかり者の自分とはかけはなれてて、むずかしかったです(笑)

担当:では、書かれるときは「矢神くんだったらこうする……ハズだ!!!」というような、推測(すいそく)をしているんですか?

あさば:その推測、はじめはハズれることが多くて!(笑)前の担当さんに「矢神はこんなことしない~!」って怒(おこ)られることもありました(笑)
 つい、私ならこういう風に考えるのにな~って考え方に、ひっぱられちゃうじゃないですか。だから、出てくる子がひとり立ちして、自分で考えて動いてくれるようになるまでは、ブレないように、まわりの人から意見をもらうと安心かなって気がします。

担当:シリーズのはじめのほうが、お話を書くのが大変なんですね。

あさば:そうですね。『星にねがいを!』も……。いや、ヒヨははじめっからブレていませんでしたね(笑)。 冴子(さえこ)ハルキのほうは、どういう子なのか、つかむのがタイヘンでした。

あさば:ハルキは、「かわいいアイドル男子」というところまでは設定していましたが、キャラクターのイラストをいただくまで、内面が全然決まらなくって!

担当:では、お顔のイラストをもらってから「こういう子か!」って決まったんですね。

あさば:だから、イラストレーターさんには、どの作品でもほんとうに助けられています。
 自分で創作(そうさく)をしていてキャラが定まらない人は、外見から入るのもいいかも。自分で描(か)いたり、友達に描ける子がいたら頼んでみたりするのがおすすめです。あとは実際にいる人、好きなアイドルなんかの写真を思い浮かべたりして、そのキャラクターのイメージを作っちゃう!

担当:先日、ハルキが好きっておたよりをいただきました!

あさば:わーほんとですか♡ やった!!!

担当:いつも、お話を書いていただく前「プロット(お話の設計図のようなもの)」をもらっていますね。いつも、分かりやすいなあって思って読ませてもらってます。
まず「この本はどんなお話か?」ってテーマが書いてあって、出てくる子がどんな子なのか説明して、それぞれの章でどんなことが起こるか考えてあって……。

あさば:そうですね。お話のテーマと、本の中でみんながどう成長するのか、この2つを決めておくとぶれないって思っています。成長する時の、「読んでよかったな」って感じを大事にしたいです!
 だから、それぞれの子に、お話の中で与えられた試練(しれん)をどう乗りこえていくか? と考えるところからはじめます。
 シリーズものだと、じゃあ、そこに季節のイベントをかけ合わせたらどんなお話が思いつくだろう?って考えていきます。

担当:なるほど。まずゴールが見えていると、最後まで書けるのですね。 ちなみにシリーズでなく、例えば『いみちぇん!』1巻目にあたる、つばさ文庫小説賞の応募原稿(おうぼげんこう)のときは……。

あさば:ハハッ……! あ~っ、ハズかしい(笑)。あれは、本当にプロットもなく、自分がキュンとするシーンを目いっぱいつめこんでしまっていて………………!!!
 今ははじめの原稿を書いたあと、お話がキチンと伝わるように、いろんな人に確認してもらって何回も直すじゃないですか。だから安心して出せるのですが、当時は思いつくまま、その場その場で書いてしまって!
 あらためて、プロットも無しに書くのはキケンだ! と声を大にして言いたいです!!!!!(笑)

担当:なるほど、アイデアがでた後は、ゴールを決めて、全体をどうするか、プロットをつくるんですね。

担当:実際に執筆(しっぴつ)するとき、どんな表現をしたらいいのか? という質問もとどきました!
『星にねがいを!2』もドキドキするシーンがてんこ盛りでしたね。どうやったら、あんなに読者をキュンとさせられるのですか!

あさば:妄想(もうそう)をふくらませること!(笑)
 普段の生活で、そんなにキュンキュンすることってないじゃないですか。
 好きなアイドルがいたり、はなやかな人生を送っていると、ちがうのかも知れませんが……! そういう方は、自分がこんなことをする人に、実際キュンとした! とメモするのが良いかも?
 ただ、わたしはなかなか、ふだんの生活に無いので、「じゃあ、どんなことがあったらキュンキュンするかな?」って妄想することを心がけてくらしています(笑)。
 ヒーローを自分好みにしておくと、こういうことされたい! とか妄想しやすいですかね。

担当:では、矢神くんや真は、あさばさんにとって、キュンとするポイントがたくさんある?

あさば:あっ……そう、そうなのかなあっ(笑)。頭のいい人のウンチク聞くのとか、キュンキュンしますね。

担当:真なんて、"超天才少年"ですもんね。

あさば:あとは、読者のみなさんが、どんなものを好きなのかは、なるべくリサーチしようと思っていて、少女マンガだったり、いろんなものを読んで、どういうところにキュンとするのか、フセンを立てつつ分析(ぶんせき)をしたりもします。

担当:こうして、ようやく物語が完成!

担当:本ができた時、どんなことを思いますか?

あさば:そりゃあ、うれしいですよ~♡
 ただ、できあがった本が置いてあるだけだと、あまり実感がわかないんです。はたして本当に読んでくれる人がいるのだろうか……? って。
 だから、読んだよ、おもしろかったよ、と言われると、『あ、読んでくれる人ってほんとうにいるんだ!』って思います。読者さんの声を聞くことがのが、本当にうれしいです!!!

担当:最後に2問! 『いみちぇん!』を書かれていますし……やっぱり国語でしょうか!

あさば:確かに、書くことは小学生のころから好きでした。ただ漢字が本当にダメで(笑)。担任の先生から親へ、『漢字テストに何回も落ちてるので、そろそろ勉強させてください』って電話がかかってきて……!!

担当:えー!? じゃあ、モモちゃんの「わたしは漢字が好き!」っていうシーンは、あさばさん自身とはちがうんですか?

あさば:全然ちがいますね! ホント、漢字の勉強つらかったです!!!(笑)でも、漢字って、いろんな文化がぎゅっとつまっているじゃないですか。形の意味や由来を調べたりすると、とってもおもしろいんです! だからこそ、この視点はわたしが小学校の頃から知りたかったな~、いま小学生のみんなに伝えたいな! って思ったのかも。
 漢字を覚えることがただの「やらなきゃいけないこと」になっちゃうと、自分も楽しくないですよね。せっかくなら楽しく、身になる視点を持てるといいな~って思います!

担当:最後の質問です! いま、小学生の自分にアドバイスをするとしたら、何を言いますか?

あさば:わたしがやっておきたかったって思うのは、日記をつけること。そうすると、それが将来、そのままネタ帳になるんです! すごい!

担当:なるほど……!!!

あさば:たとえば、友達とこういうことケンカした、とか、こういうことがゆるせない、とか。その時のぶつかり合いで、どういうふうに心が動いたか。
 そういうのって、大人になると忘れちゃうし、ゆるせちゃったりするんですよね。こんなこともあったけど、あの時の自分、かわいかったな~って、リアルに感じられなくなっちゃう。
 だから、今の気持ち、まっすぐな怒(いか)りや悲しさを、だれにも見せないつもりでいいので、日記にぶつけておくと――読み返したときめちゃくちゃ恥ずかしいと思うんですけど――まざまざと思い返せるじゃないですか。
 まずは自分が一番いいネタになると思うので、マメにメモしておくといいと思います!

 お話を作るのってすごく楽しいし、ましてやそれが本になって、他の人に読んでもらえるのって、最高の幸せだと思うんです。一緒にがんばりましょう! わたしもそこまで生き残れるようにがんばります(笑)

まだまだあるよっ
あさばみゆきさんに一問一答!

あさば:いきなり長いお話を書こうとすると、1~2章目が難しい。わたしも最初の章を書くときしんどくって、そこだけで1週間くらいかかったりします。だから、例えば先に、書きたいシーンから書いちゃうとか、どうでしょうか。そのあと逆算して、このシーンをどう盛り上げるか?って考えるのもアリかも。

あさば:考えながら……寝(ね)る? 寝られなくなることもあるのですが(笑)、朝ふっと解決策(かいけつさく)が浮かんだり。あとは、トイレに行ったり、別のことをしたり。思いつめずに気分転換(きぶんてんかん)が大事だと思います。

あさば:わたしはナマケ者なので、進行表を作って、自分のシリをたたくことにしてます(笑)。これを見ると、だいたい1日20枚くらいでしょうか。
 自分が1日何枚書いた、ということが分かるとスケジュールも組めるし、目標があると物語を終わらせるやる気がつづくかなって思います。

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