角川つばさ文庫小説賞

第1回<こども部門>結果発表!

第1回<こども部門>結果発表!

第1回角川つばさ文庫小説賞〈こども部門〉には、
477本の作品を応募をいただきました。
どうもありがとうございました!
中学生以下のみなさんを対象とした〈こども部門〉でしたが、
〈一般部門〉にまけないアイデアやハッとするような描写に
あふれていて、みなさんの才能に驚かされました。
とても楽しく読ませてもらいましたよ!
どの作品に賞をさしあげるか、編集部一同、とてもなやみましたが、
激論のすえ下記の30名の方たちを選びました。
受賞されたみなさん、おめでとうございます!
2013年7月1日(月)〜2013年8月31日(土)になります。
今年も、あなたの作品をお待ちしています!

こども部門受賞作品

グランプリ

ブタになったお姉ちゃん

アイカ(小学3年)

ストーリー
あざみのお姉ちゃん・あずみはとっても大食い。そんなあずみが、ある日ブタになってしまって!? 原因は呪いのチャーシューを食べたこと。あざみは、なんとかあずみを人間にもどそうとがんばるが……!?
選評
大食いがたたって、お姉ちゃんがブタになってしまうという個性的なアイデアに、まず引きこまれてしまいました。おどろきながらもきちんとお世話をしていくあざみの様子が、いきいきとえがかれていますね。ブタになった理由も人間にもどす方法も考えられており、お話をきちんとまとめられています。ブタになったあとのあずみの様子がとてもユーモラスにえがかれていた点や、テンポの良い展開は本当に見事でした。
準グランプリ

伝えたいこと

鈴木萌(小学4年)

ストーリー
日向はクラスメイトの野村さんのいじめ現場を目撃してしまう。さらに、日向にもいじめの火の粉がふりかかってきてしまい!? 落ち込む日向だが、飼い犬ハッピーの活躍で、勇気を出していじめの犯人に立ち向かう!
選評
日向のまっすぐな性格に対して、いじめっ子の高橋さんの性格がきわだち、2人の対象的なキャラクターが、しっかりとえがき分けられています。審査員全員が「高橋さんがこわくてすごい!」と絶賛していました。また、日向が少しずつ成長していくすがたが、ハッピーのストーリーとからめてえがかれていて、ぐいぐい引きこまれてしまいました。
準グランプリ

空模様の翼

多田愛理(中学1年)

ストーリー
ひょんなことから1週間以内に3つの願いを天使にすることとなったエラは、亡くなった親友の生き返りを望んだ。しかし願いをかなえるためには、代わりに別の命が失われてしまう!? 自分の命があと4日しかないことを知った、エラの取った行動は……。
選評
知ってしまった自分の命のリミットや、その命と引きかえにかなえられる3つの願いの行く末が、とても気になります。短い文章の中に、近づいてくる命のリミットや、その中での恋の悩みもきちんと書き込まれていて、読んだ後にさわやかな気持ちになれました。読者をひきつける文章力・構成力はとても高く、中学1年生の作品とは思えないほど、完成度の高い小説でした。
特別賞「角川書店賞」

笑顔のひみつ

咲月(小学4年)

ストーリー
花屋の娘・明里と明音は、宿題で将来の夢について作文を書くことに。何を書くかなかなか決められず、うたたねをしていると、妖精・リリーに起こされ、夢を探す冒険に出発する。2人は冒険を通してどんな夢を選ぶのか?
選評
「笑顔」というテーマにむかって、はじまりから終わりまで、少しもぶれることなく、ていねいに書かれています。どんな夢(なりたいもの)をもつか、はっきり決められなくても、大事にしなければならないことを見つけた明里ちゃんたちの成長がすばらしいです。お話の起承転結も、きちんとついていました。作品の中にも笑顔がちりばめられていて、笑顔のステキさがとても伝わった作品でした。
特別賞「アスキー・メディアワークス賞」

絆犬

橋本真悠子(小学6年)

ストーリー
いじめられっ子の未来にできた友だち、恵子。でも家で飼えない小犬を恵子にあずけたことで、恵子の思い出の花だんがあらされ……未来のいじめにまわる恵子だったが、未来の勇気が、小犬の行動のひみつを明らかにする。
選評
学校ではいじめられ、家でも居場所のない主人公。救いの手をさしのべた転校生・恵子までも、小犬のハッピーのせいで敵にまわってしまう……ハラハラの展開をうまくえがけています。ストーリーの動きが速く、予想外の展開もあり、ぐいぐい読めました。「物語をどういう風に作ると読者が興味をひかれつづけるのか」「最後、どうやったら感動するのか」をよく考えて作られていました。読後感もよいです。
特別賞「富士見書房賞」

星子(スタル)の流れ星

彩音(中学1年)

ストーリー
優希は七夕の日、スタル(星の子ども)のヒカルと出会い、星の世界へ行く。ヒカルのおさななじみ・キララが優希をおそうが、キララが優希の実の妹だということがわかる。2人を地上に帰すため、ヒカルはみずから流れ星となり、彼女たちを運ぶ。
選評
星の子ども・スタルや地球を見下ろせる星の世界など、オリジナリティあふれるうつくしい世界観がしっかりと表現されていて、とてもイメージしやすかったです。また、そういった世界の中で、いつも1人ぼっちでいるという現実的な悩みをもつ、優希の心の成長もえがかれており、うまく現実とまぼろしの世界観がまじわっていたと思います。そしてなによりも、スタルという存在のはかなさが印象的でした。
特別賞「エンターブレイン賞」

暖かい光に包まれて

上村杏(中学2年)

ストーリー
「俺」とペル、2匹の猫はたがいにひかれあいカップルに。時を同じくして、もう1つ、人間のカップルが誕生する。車にひかれそうになった(人間の)彼氏を発見したペルは、彼を助けて死んでしまうが、実は2組のカップルのたましいは同じで……。
選評
同じ時間に生きている、猫のカップルと人間のカップルのたましいが実は同じ、というむずかしい設定に挑戦し、各所にちりばめられた伏線を、うまく回収しながら書ききった作品でした。視点は猫の「俺」と、人間の美亜ちゃんになっていて、男女2つの視点を書いたことで、カップルのきずなの深さが伝わってきます。ていねいにキャラクターの気持ちが書かれており、読者も入りこみやすい作品にしあがっていました。
特別賞「角川学芸出版賞」

ろくべえじいさんのへんてこな旅

藤井早紀子(小学3年)

ストーリー
からくりを作ることが大好きな、ろくべえじいさん。けれど年を取ってきたので、何を作ったかわすれてしまいがち。そんなじいさんはある日、しかけにかかって、ふしぎな旅に出るのだが……!
選評
起承転結がぶれることなく見事に書きあげられていて、文章のリズムもありました。くるくると切り変わる物語の舞台が、読む人をからくりの世界に引きこみ、最後までまったくあきさせない、すばらしい作品です。キャラクターの設定、名前、しゃべり方のどれもがみりょく的で、言葉の選び方にもばつぐんのセンスを感じました。映像や音楽が頭にうかぶような楽しい冒険に、ろくべえじいさんだけでなく、審査員も大興奮でした。
特別賞「角川グループ パブリッシング賞」

天才のノート

冬由玉也(中学1年)

ストーリー
行人のクラスで英語の宿題が出たが、先生の字の汚さのせいでみんな内容をかんちがいしてしまう。そんな中、天才少女の伊藤はきちんと宿題をしていた。ところが提出したはずの伊藤のノートが行方不明に! 一体何がおきたのか?
選評
犯人の動機やそのトリックなど、身近にある題材をつかうことで、とてもリアリティが出ていました。探偵役のユウ先輩が謎を解くシーンでは、トリックをさし絵のように書いていたことで、読者に「おおっ」と思わせることに成功し、感動がより大きくなるしかけになっていました。謎を解いていく中で、行人が自分の気持ちの変化に気づき、成長した部分も書けていて、青春ミステリーとしてうまくまとまっていました。

入賞

小さな戦士(リトルナイト)

黒谷霞(中学2年)

ストーリー
願いがかなう奇跡の剣を、男女各2人で裏山に探しに行く冒険ストーリー。性格もさまざまな4人は、持ちよったメガホンなどのトンチンカンなアイテムを武器に、ありえない野生動物たちと戦う。はたして4人は剣を手に入れることができるのか?

照れ隠しにつぶやいた。

森屋まひろ(小学6年)

ストーリー
1年に1回の席がえなのに、花乃のまわりは男子ばっかり。しかもその男子はクラスの人気者たちで、女子からの視線がとても痛い。そんな中、イケメン3人と、文化祭の準備委員にされてしまった! 花乃の学校生活はどうなるの!?

CRY 〜涙の精と姉との約束〜

君影双(小学5年)

ストーリー
姉・結の死をきっかけにロンドンへ移り住んだ舞と両親。ロンドン図書館で見つけた2冊の本によって、舞は本の世界へ入りこんでしまう。そこで出会った少年から結の最後の願いへとみちびかれ、舞は笑顔の大切さを学ぶのだった。

ナ・ナ・フ・シ・ギ

葵茜音(中学2年)

ストーリー
学校の七不思議を調べるため集まった飾梨・穂波・翔・栗。さっそく七不思議の真相を確かめるべく、夜の学校に繰り出した4人だったが、行く先々に第三者の気配が。彼らにせまるのは本物の心霊現象? それとも……!?

どろだんごが全ての始まり

ハル(中学1年)

ストーリー
桜ヶ丘幼稚園の先生になって1週間の「私」が出会った最初の事件。みきちゃんの作ったどろだんごが消えてしまったのだ。クラス総出でどろだんご探しがはじまった。ところが暗号のようなものが書かれた紙がみつかって……。

こちら五の二の探偵係!怪塔に眠る謎

注口正希(小学6年)

ストーリー
由狩は五年二組探偵係のメンバー。弟の精希、いとこの朱里、委員長の琴羽と、校内の事件をいくつも解決している。ある日、呪われた洋館「怪塔」で、4年の生徒たちが行方不明になる事件が起こり、捜査にのりだすが……。

涙に死神を

益崎フウ(中学2年)

ストーリー
死にそうになった佐奈を助けてくれたのはなんと死神。お礼として佐奈は死神と10日間いっしょにいることに。そんな中、将来の夢を書く宿題が出たのだけれど佐奈はまったく書けない。実は双子の弟の死が深く関わっていて……?

紫式部は魔法使い?

あいりんこ(小学4年)

ストーリー
光宙たち4人はあやまって平安川に落ちてしまい、気がつくとまったく知らない場所にいた。そんな光宙たちを救ってくれたのはなんと紫式部!? けれど彼女たちには歴史を変えようという野望があって……?

ボクが犬の兄さんに教わったこと

秋桜(中学3年)

ストーリー
ユキちゃん家で飼われることになった猫のダイチ。ペットショップにいたころは、犬の兄さんがなんでも教えてくれたけど、ユキちゃんとは言葉が通じない。兄さんと再会したとき、ダイチは自分で考えることの大事さを学ぶ。

キーホルダー〜キーホルダーの記憶〜

紅葉(小学6年)

ストーリー
事故で、聴力を失ってしまった真。そんな彼の日課は、3つのキーホルダー人形を連れて散歩をすること。しかし散歩中、ふしぎな声が聞こえてきた。「真……」ふと目の前をみると、そこは見なれた3人(?)の姿が……!?

小さな海

甘井ドロップ(小学5年)

ストーリー
水たまりの下にひろがる、ふしぎな海。ひょんなことから、その小さな海を見つけた、まゆは、そこで泳いでいたいじめられっ子の同級生ゆねが、実は人魚だったと知る。2人は友だちになるが、やがて村を津波がおそい……。

かげ

さやぴ〜(小学6年)

ストーリー
運動会のリレーに向けて練習を積むケイ。仲良しのヒトシ、おさななじみのユウはライバルだ。学校帰りのある日、ケイたちは青い、人の形をしたかげに出くわす。どうやらそのかげは、若くして亡くなった体育教師らしいのだが……?

ムム犬

はなだんご(小学6年)

ストーリー
中学2年生の桃香は不思議な捨て犬に出会い、家に連れ帰ってムム子と名付けた。ある日、見知らぬ人から電話があり、ムム子はムム犬という珍しい犬で、1年たったら他の飼い主に渡さなければならないことを伝えられる。

女探偵立井理美〜消えた凶器のナゾ〜

鎌鼬(小学6年)

ストーリー
暗号博物館の館長で女探偵をしている理美先生と、助手のケンタに1通の手紙が届く。そこには人が死んでいるとの情報と暗号が書かれていた! その後、警察から殺人の情報が入ってきて……ケンタと理美先生が謎にいどむ!

心に愛を 〜人魚アリアの冒険〜

羽由(中学1年)

ストーリー
人魚アリアは、人間に会うため海上にあがり、カイトという少年と出会う。再会の約束どおり、もう一度海上へ来たアリアだったが、王子リクにつかまってしまう。だが、アリアの愛のこもった歌がリクに届き、リクは心を入れかえるのであった。

ハナビ

宮田さくら(中学1年)

ストーリー
他人となじめなく、いつもひとりぼっちの夏留。転入生・哀花との出会いで、夏留は自分を受け入れるようになるが、ある本の内容が自分と哀花の関係にそっくりだと気づく。やがて哀花との別れの時間がせまってきていることにも気づいて……。

夏空流星群−星降る夜の殺意−

繚乱螢(小学6年)

ストーリー
通り魔に殺された恋人の父親にたのまれ、彼女とうりふたつの妹と会うことになった大宮流星。その帰り道、彼女を殺した通り魔に追われることに。「あの子に会ったの?」という一言から流星が導きだした、真犯人とは?

紅葉はなび

紅葉(中学1年)

ストーリー
部活ができなくなったギター部の僕は、公園で毎日ギターをかなでつづけた。そこで僕が出会った少女は、いつもベンチに座って小説を書いていた。僕のギターを元に少女が物語を書くと、2人は約束したのだが……。

セレクトデイズ。

水晶(中学3年)

ストーリー
仲良し中学生4人組の杏里・佐保実・華花・夢那。ところで、夢那が杏里に好きな人を打ちあけてから、4人の友情はこわれてしまう。杏里は友情を取りもどすため、どんな道を選ぶのか?

少年少女の世界観

群青椿(中学2年)

ストーリー
夕のクラスに、昔のおさななじみだった草津が転校してきた。『会いたい人に会うため帰ってきた。でもその人はもうここにはいない』という草津の言葉を受け、夕はその人を探しはじめる。そのうち、草津の会いたい人が、昔の自分だと夕は気づいて……?

のらねこたちの雨宿りホテル

あんちゃん(小学5年)

ストーリー
歩美の飼いねこのしまは、夜鳴きがひどい。このままでは捨てられてしまう!? そんなある日、雨にふられた歩美は、しまにみちびかれて古い屋敷をおとずれる。そこは、人の言葉を話すねこ、レイン伯爵のホテルだった。