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第12回<こども部門>結果発表
第12回角川つばさ文庫小説賞は、
405本の作品を応募いただきました。
どうもありがとうございました!
半年にわたる選考の結果、
下記の20組のみなさんが受賞されました。
受賞されたみなさん、おめでとうございます!
第13回角川つばさ文庫小説賞の募集期間は、
2024年7月1日~2024年8月31日になります。
今年も、あなたの作品をお待ちしております!
こども部門受賞作品
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エビくんとエビちゃん
- 選評
- 「わたし、生きていたらそれでいいと思うの。」という達観した視点から始まり、心を摑まれました。どんな展開になるのかと思っていたら、二匹とも人間につかまり、おすしやさんに連れてこられるとは! 柔軟な発想に驚きました。エビくんとエビちゃんが運命を受け入れ「おせち料理になる」と前を向くシーンは微笑ましくも、考えさせられました。短くも起承転結がしっかりしていて素晴らしい構成です。編集部員一同、大絶賛でした。満場一致グランプリ、おめでとうございます!
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ぼくは誰?
- 選評
- 記憶をなくしてしまった不安な気持ち、自分は悪人だったかもしれないあせり、悪人だったら地獄行きが決定してしまう絶望感へと変化する、感情の描写がすばらしいです。現世にもどれてハッピーエンド……かと思いきや、記憶は失ったまま。『このあと、どうなってしまうのだろう』と、最後まで読者の心をつかんではなさない構成も非常にたくみで、よく考えられていました。ラストシーンには、さわやかな読後感がありました。これからもたくさんの作品を書いていってほしいです。
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日本 ケンカしちゃいました ~あぁ もうおこっぺおこっぺ~
- 選評
- 観光名所から特産物まで、日本各地のあらゆる情報をうまく組み込みながらも、ユーモアたっぷりの物語にまとめあげてあり、楽しくてためになる作品を作り上げる力がお見事です。争いを経て、戦争の愚かさや、今ある平和のありがたみ、人々と協力することの素晴らしさへ気づいていく展開も秀逸でした。また、おじいちゃんの口から孫へ向けて語られる昔話の形をとることで、一見、突拍子もない日本国内大戦争の物語に一気に読者を引き込む構成も素晴らしかったです。
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3,2,1、アクション!
- 選評
- 冒頭のシーンから、物語の世界に一気に引き込ます。舞台設定、全員のキャラクターが本当に生き生きとしていて、場面描写もとても迫力があります。警察官と先生が同一人物であったり、台本・漢字ドリル・集合写真が盗まれたりと、一見関係性がないパーツ同士が段々とつながっていく展開に目が離せませんでした。相手の裏の裏をかき、読者さえもだます最後にハラハラドキドキしました! これからWGKとして活躍する5人のお話を考えるとワクワクします!
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お化けたちの七不思議
- 選評
- 「お化けの七不思議」の箇条書きから突き抜けており、そうきたか! と夢中にさせます。元気あふれるエピソードが続き、テンポよく笑いを生んでくれて楽しい。出てくるキャラクターも変わり者ばかり。ですが個性的で憎めません。お化けたちならではの遊び方や解決方法はハチャメチャながら、どこか「なるほど」と思わせる説得力を持っています。物語の意外な進み方に、読んでいる側は引っ張られていくばかりです。ぜひもっと長い小説を書いて、独自の世界観を突き詰めてほしい!
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大きくて小さな惑星
- 選評
- わかりやすい表現とテンポのいい台詞運びで読みごたえがあるSF作品です。どんな悪人顔でもふりかければ良い人に見える粉「ヨイカオパウダー」といった、クスッと笑える要素をちりばめながら、「不死の薬」が登場したところから終盤に向かってシリアスな雰囲気への変化していく様に引き込まれました。地球侵略をもくろむ宇宙人の視点から、わたしたち人間が「争い」を繰り返してきた歴史を再定義するというアイデアが斬新で、一つの物語としてまとめる筆力がすばらしいです。
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箱の外
- 選評
- 文章が巧みで表現力も素晴らしく、どんどん作品に引き込まれていきました。突然新種のウィルスが世界中に広がった結果、海底都市に住まざるを得なくなった人類。しかし海底都市での生活は安全かつ快適でまさにユートピア。そんな中、地上に憧れる若者の渇望と未来へと向かう姿をまっすぐに瑞々しく描けていました。コロナの世情をうまくSFに落とし込み、独自の世界観を築けていたと思います。その後サクジたちはどうなったのだろう……と読者に考えさせる展開も上手でした。
入賞
ちょうの花ばたけ
- 選評
- 冷化がちょうの世界にまよいこみ、ふしぎな体験をする話。アクアマリンの天井に水晶のシャンデリアなど、描写が美しく映像が浮かびます。夢いっぱいの世界に入り込んだ気持ちです。ちょうの羽の白い覆いなど、伏線もGOOD! ラストも秀逸で、才能を感じます!
四季と日菜
- 選評
- 日菜ちゃんが何者なのか、何をかくしているのか気になって、夢中で読みました。地われや竜巻にのみこまれそうになるドキドキのアクションシーンがすばらしかったです。助け合って困難に立ち向かっていく様子は二人の友情が感じられ、とても読み応えがありました。
今日からツタンカーメン
- 選評
- 各章ごとに引きを作り「この先どんな風に物語が広がっていくんだろう?」と思わず先が気になってしまうような展開作りが素晴らしかったです。ツタンカーメンに生まれ変わった主人公の冒険がとても活き活きと描かれており、ハラハラドキドキの手に汗にぎる作品でした。
ブラックツリー
- 選評
- 物語が進むにつれ不穏な雰囲気を演出するのがとても上手で引き込まれます。「何かが足りないような気がした」「何かがおかしい」と、主人公が気づいていくシーンにドキドキしました。最後の1文にもドキっとさせる力があり、全体のストーリー構成がとても見事です!
鹿野山と兄妹
- 選評
- 自然の中での暮らしを描く耽美な語彙や表現力は小学6年生が書いたとは思えぬほど圧巻です。夜の森が近くに潜んでいて、風を吹かせているかのような錯覚を覚えます。無邪気な兄妹、そして「鹿野山」の、温かく、どこか切ない世界が魅力的で、ふっと口角が上がります。
四人と夏の校舎
- 選評
- 生き生きした学校生活、喜怒哀楽の伝わる鮮やかな文章、人間味あふれる登場人物に惹き込まれます。不合理な社会と戦う四人の姿に、読んでいて勇気をもらえるお話です。必ずしもハッピーエンドではありませんが、四人の将来に結び付け、希望を描く締め方も見事。
特異体質!
- 選評
- ドキドキな展開から始まり、敵と入れ替わるという発想が大胆です。おちゃめな印象の悪者たちも物語を引き立たせ、コミカルな世界観を生み出しています。短い中に詰め込まれた、各場面の「濃さ」が魅力的。今後も書き続けて、より洗練された作品を生んでほしいです。
ウルフ童話
- 選評
- 童話というテーマがオリジナリティあふれる世界観にうまく落とし込まれています。プロローグで描かれた内容が、あっと驚く展開で回収される仕かけに感心しました。感情の変化も丁寧に描かれ、エピローグで新しい一歩を踏み出した羊花には思わずガッツポーズ!
文字屋
- 選評
- 世界観の作り込みが巧みで、自分も文字屋を訪れているように錯覚しながら読み進めました。性別も年齢も違う二人のエピソードが連なることで物語に厚みが生まれています。ミステリアスな店主の文月が魅力的で、文字屋を始めたきっかけのエピソードなども読みたいです。
GPT、私はどうすればいい?
- 選評
- 姉妹の視点を交互に描いていく構成と、物語をスリリングに盛り上げていく筆力が非常に素晴らしいです。身近に取り上げられるAIというモチーフを刺激的に扱いながら、ラストはこれまですれちがっていた姉妹の絆をあたたかく描き、そのギャップにグッときました。
とある語り部の昔語り
- 選評
- 長編をするりと読ませる筆力、疾走感ある構成、文学少女然としたアクの強い「語り」が魅力。中学三年生の一夜の「逃避行」を描く物語。出会う人物は曲者ぞろい。物語の向かう先が気になって仕方がない! 将来への不安や焦燥感、鬱屈感を吹きとばす清々しい快作です。
アンノウン・メモリーズ
- 選評
- 日本のどこかにある謎の未開拓地域「パスタイム」の物語。悩みをもつ主人公の心がほぐれ、発見をしていく不思議な体験が上質な文で描かれています。最後には、実は子どもではなかったことに驚きの結末になっています。心地よい、前向きな希望を与えてくれる物語です。
俺らの寿司に食らえ。
- 選評
- 勢いのあるタイトルにまずひかれます。『寿司1』の決勝に挑む三人。生い立ちや得意な寿司などキャラクターが魅力的に考えられています。家族のドラマも描かれ、決勝の熱い戦い、三人に友情が芽生える展開など、起伏に富んだ優れたエンターテインメントの物語です。
こども部門 1次選考通過作品
舞の不思議な旅 | 美禽 時雨(小4) |
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私はカビ | こむぎこ(小4) |
わたしときみのわたし旅 | 竹中 涼香(小2) |
みゃあこの夏祭り | 山西 たまご(小3) |
森の中の大きな木 | 岡本 夕夏(小3) |
ちょうの花ばたけ | 梨式部(小3) |
夏の思い出 | 笠原 ほたる(小4) |
四季と日菜 | 藤原 はるの(小4) |
トトとマロンは異世界へ行く。 | りんりん(小4) |
ネバー村の亡れいたいじ! | 西原知花(小3) |
フラワーベットの子ども達 | モモリンゴ(小4) |
doorknob brothers(ドアノブ兄妹) | アリス(小4) |
ぼくは誰? | みりん(小4) |
ココロ・ゴハン~にっこり食堂の幸せカウンター~ | あんのまるこ(小3) |
せかい一のチーズへ | 鈴木 心琉(小4) |
エビくんとエビちゃん | 切貫 奏栄(小4) |
夢の嘘 | 奥泉 いろは(小5) |
晴れの日の葉っぱ | わびしい川猿(小5) |
3,2,1、アクション | 和田 啓義ケビン(小5) |
元の世界の生活は!? | 豆柴(小5) |
この夜空の彼方で | 森成 菫(小5) |
シークレットdays | 岡田藍生(小5) |
空色ミュージック | 花摘 さくら(小5) |
日本 ケンカしちゃいました~あぁ もうおこっぺおこっぺ~ | 大久保 海翔(小5) |
シーグラス | 松浦 あかり(小5) |
葵の世界自論 | さとう さくや(小5) |
コスモス・ブレイク! | しなのかすみ(小5) |
今日からツタンカーメン | キャサリン(小5) |
太陽 | 篠 綾太(小5) |
宇宙戦争 | 中川 駈(小5) |
奇跡 | 久保田 凜(小5) |
心の悩み解決します。 | のむら 咲来(小5) |
フットボールドリーム | 髙橋 総太郎(小5) |
たんぽぽ家族のとある一日 | ROおもち(小5) |
ブラックツリー | 長谷川 桃香(小5) |
四人のガールズ探検隊 | KANA(小6) |
糸を結んで | Y.S.(小6) |
ただいまピアノの練習中! | 本好きなシオ(小6) |
階段の約束 | 尾身 羽月(小6) |
記憶雑貨屋 | 藤井 ハナノ(小6) |
四人と夏の校舎 | 嶋田 こと美(小6) |
大好きだからに決まってる。 | ひらた ゆい(小6) |
鹿野山と兄妹 | 神川 鈴女(小6) |
シークレット・クルージング | カラーフルソレイユ(小6) |
美術探偵 リネット | かくたくるみ(小6) |
『時もどし屋』へようこそ | 白花らいむ(小6) |
特異体質! | ブックキング(小6) |
調査の三カ月 | 星空 さやか(小6) |
探偵団育成学校 | 大福 グミ(小6) |
バンドクラブエブリディ! | 四季織々(小6) |
お化けたちの七不思議 | たくあん(小6) |
ずっと友達だよ | 池本 百花(小6) |
消えた音色 | 狩野 陽向(中1) |
君だけが光っている世界の中で。 | 長﨑 桃奈(中1) |
大きくて小さな惑星 | 小林 宗太(中1) |
夏のセミの悪夢 | 雨月 文世(中1) |
信号機頭の彼 | スタンドライト(中1) |
ウルフ童話 | 渡邉 縁(中1) |
箱の外 | 宮下ぴかり(中1) |
この空の向こう岸で | アイスンム(中1) |
夜空を駆ける狐たち | アサイサナ(中1) |
バディに片想い | 七夜 ライ(中1) |
文字屋 | シズカ(中2) |
あやかし放送室 | 東條 ひら(中2) |
キュリオスの冒険 ~アイスエイジ編~ | 青木 瑞希(中2) |
足掻き続ける私たちの幸せ | 小林なでしこ(中2) |
GPT、私はどうすればいい? | めんだこ(中2) |
僕は青空を知らない。 | 藤 藍良(中2) |
夢の世界を、もう一度。 | 中安 彩心(中2) |
五月一日の赤い糸は。 | 束本 帆乃花(中2) |
SERCH FOR TRUTH | ハル(中3) |
光源を掴む | 小野 留衣(中3) |
私 | 山田 安優(中3) |
とある語り部の昔語り | 影風(中3) |
アンノウン・メモリーズ | 雫石 影弥(中3) |
真昼のソワレ | 荒喜名田 利他(中3) |
俺らの寿司に食らえ。 | 水谷 くじら(中3) |
石暮れ | 宇宙(非公式)(中3) |