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みんなが送ってくれた # 読者の考えたアオハルチャレンジから
作者の無月蒼さんが小説を書き下ろす、スペシャル企画実施中!
第12回角川つばさ文庫小説賞〈金賞〉を受賞した『アオハル100%』!
1巻『アオハル100% 行動しないと青春じゃないぜ』の後書きで、
# 読者の考えたアオハルチャレンジ を募集したところ、
たくさんのファンレターや、感想の投稿から、アイディアが集まったよ。
無月蒼さんが、寄せられたアイディアで、、SS(ショートストーリー)を書いてくれました!
だれのアイディアが採用されたのか?いますぐ読んでてみてね!
アオハル100% # 読者の考えたアオハルチャレンジ
『スペシャルストーリー☆ワクワク夏のファッションコラボ』
夏休みのある日。
わたし、火花ほむらは自分の部屋で、鏡にむかって、にらめっこしていた。
「今日はこの服にしようかなあ? あ、でもこれだと、一昨日とイメージがかぶっちゃうか。どうせなら、雰囲気変えたほうがいいよね。うーん」
ベッドの上にはクローゼットからだした、たくさんの服がならべられていて。
わたしはそれらを体に当てながら、今日着る服をどれにするか、考えていた。
そんなにオシャレして、どこに出かける予定なのかって?
ううん、そうじゃないの。
服を選んでいるのは、# アオハルチャレンジのためなんだ!
わたし、ほむらは SNSでのあそび、# アオハルチャレンジをよびかける「青春仕掛け人」。
でも、みんなに出す「お題」のネタに、限界を感じて。
それで、少し前に「青春仕掛け人」のアカウントから「アナタの考えたアオハルチャレンジを募集します」ってよびかけたの。
そしたら思ってたよりたくさんの、チャレンジのアイディアが送られてきてビックリ。
たとえば、つばさちゃんさんが送ってくれた、# 友達といっしょにショッピング。
常夏さんの、# みんなで男装や女装をする、などなど。
おもしろそうなお題がズラリ!
その中から、今回「青春仕掛け人」がみんなに投げかけた「お題」は、これ!
ファラリンさんが送ってくれた # 1週間のコーデを紹介。
1週間毎日、その日のコーデを写真に撮って、SNSに上げるっていうアイディアなんだけど。
ちょうど今は夏休みだから、私服は毎日着るし。
今の時期にピッタリのチャレンジだよね!
SNSに上げるんだから、いけてるコーデがいいよね。
そんなわけで、頭を悩ませること数十分。
ようやく決まった服に着替えて、写真をパシャリ!
SNSにポストして、今日のぶんのチャレンジ、完了だね。
「たくさん考えたら、ノドかわいちゃった。なにか飲もう」
うーんと背のびをして、部屋をでる。
リビングにいくとお兄がいて、わたしを見てくる。
「ん? ほむら、どっかでかけるのか?」
「ううん。ちょっと水を飲みにきただけ」
「そのわりにはなんか……やけに気合い入った服着てねーか?」
「うん、ちょっとね……」
SNSにコーデを上げるために、オシャレした~なんて言ったら、笑われるかもしれないから、てきとうにはぐらかす。
けど、そのあとやってきたお母さんからも、
「あら、ほむら、おでかけ? 今日のぶんの宿題はやったの?」
ってきかれちゃった。
うーん、ちょっと、はりきりすぎちゃったかな?
けど、しょうがないじゃん!
だって# 1週間のコーデを紹介 で写真を上げてる人は、みんなすごいオシャレしてるんだもん!
スマホで検索してみると、ユニコーンカラーでかわいくコーデした女子の写真がポストされてる。
これからライブに行くとかかな?
モノトーンでシックなイメージの男子の写真もある。
ちょっと暑そうだけど、オシャレはガマンってことかな。
ほらほら、みんなこんなにキメてるんだから、わたしだって負けてられないよー!
なんて思っていたら……
ピコン!
あ、さっきのわたしのポストに、いいねがおされた。
おしたのは、友だちの千鶴のアカウントだ。
千鶴もこのチャレンジをやってる。
今日は、どんなコーデをしたのかなあ?
千鶴のポストを見ると、半袖にハーフパンツのシンプルな写真が出てきた。おおー、気取ってない服装だけど、動きやすそうで、しかも涼しげ。
すらっと長い手足が、まるでモデルさんみたい。
うーん、さっきは「オシャレしなきゃ!」って考えたけど、こういう自然な格好もいいなあ……。
というか、たくさんのオシャレ服を見たあとだと、シンプルなコーデが新鮮に思えてくる。
大半のチャレンジャーが、凝こったコーデをする中、いつも通りの落ちついた感じの格好の写真をポストする人も、やっぱりいるんだ。
……クルミくんは、どうかな?
クルミくんのアカウント、『夜明け』のポストを見てみると、思った通り。白い襟えりつきのシャツの自撮り写真が上げられていた。
清潔そうだし、不思議な安心感がある。
――うん。
わたしも明日はへたに考えすぎないで、いつもどおりの格好にしようかな。
まだ今日がはじまったばかりなのに、早くも明日のコーデを考えるのだった。
☆
その日の午後。
わたしは自分の部屋で、千鶴、それに香鈴といっしょに、通話アプリで話をしていた。
「……というわけで、明日のコーデは自然体でいこうって思ってるんだけど。千鶴みたいにかっこよく見せるには、どうしたらいいのー!?」
『あたし? 特になにも考えてないけど』
『というかほむらちゃん、かっこよく見せようって方法を考えてる時点で、自然体から離れちゃうんじゃない?』
うっ、それはたしかに。
香鈴のもっともな指摘に、ぐうの音も出ない。
『でも、なやむ気持ちはわかるな。わたしもこのチャレンジをはじめてから、服選びにちょっと時間かかってるかも。特別オシャレしたいってわけじゃないけど、変じゃないかなとは確認してる』
「だよねだよねだよね!」
だれかに見せるってなったら、どうしても意識しちゃうもの。
そういうの、わたしだけじゃなかったんだってわかって、ホッとする。
『それに今ある服だけじゃ、コーデにも限界があるよね。新しい服ほしいなあ~』
「あ、だったらこんど3人で、服買いにいかないっ!?」
じつはさっき、お母さんが新しい服を買うためのおこづかいをくれるって言ってくれたの!
去年の夏より背がのびて、去年の服が小さくなっているのも多くて。
もう中学生なんだから、自分で買いにいきたい!って言ったんだ。
せっかくだから、3人でいったら、もっと楽しいし。
しかも、これなら送られてきてたアオハルチャレンジのお題、# 友達といっしょにショッピング にもなる!
――と思ったんだけど……。
香鈴が、もうしわけなさそうに言う。
『でもわたし、今おこづかい、そんなに残ってないんだよね』
あ……やば!
つい1人で盛りあがっちゃったけど、香鈴や千鶴のつごうを考えずに口ばしっちゃった!!!
『千鶴は、どう?』
『うん、あたしも新しい服買えたらいいんだけど、そんなにヨユーないかなあ』
『じゃあ、ほむらの服選びに、いっしょにつきあおうか!』
明るい声で、香鈴が提案してくれる。
『ショッピングにつきあうだけでも楽しいし。コーデの参考にもなるしね?』
『いいね、あたしも行きたいな。ほむら、いくときさそってよ』
千鶴も、はずんだ声で言ってくれる。
この2人は、本当の気持ちと逆のことを言ったりしないタイプだから……うん。
気をつかわなくても、だいじょうぶなのかな?
「2人とも、ありがと」
☆
その日の夕方。
お母さんにお使いをたのまれたわたしが、商店街にきたとき――。
「あ、火花さん」
うしろから名前を呼ばれて。
ふりむくとそこにいたのは、クルミくんだった。
「あ、クルミくんも買い物?」
「ううん、図書館にいった帰りなんだ。そうだ、今日のアオハルチャレンジのポスト見たよ。どこかにでかけてたの?」
「いや、あれはちょっと、気合い入れすぎちゃったというか……」
お兄やお母さんが言ったのとまったく同じことを言われて、ちょっとはずかしい。
さらに今のわたしは今朝とはちがって、ラフな服に着替えている。
さすがにちょっと商店街に買い物にいく格好じゃないと思って、着替えたんだ。
対してクルミくんは、今朝のポストと同じ、シンプルな服装。
わたしはため息をつく。
「コーデ紹介のアオハルチャレンジをやってから、毎日服とにらめっこしてる気がするよ」
「オレも、もっといい服があればいいんだけど。持ってるの、どれもこれも似たりよったりだから」
なんて苦笑いしてるけど、わたしは自然な感じがして好きだなあ。
……あ、そうだ。
昼間にあった千鶴たちのことを、クルミくんに話す。
「コーデのために、新しい服買おう! なんて。だれでもできるわけじゃなかったなーって、ちょっと反省しちゃった」
と、わたしがため息をつくと。
「だったら……たとえば、こういうのはどうかな。ちょっとオレはできないチャレンジだけど、火花さんたちなら――」
なんて言いながら、アイディアを話してくれたクルミくん。
それを聞いてわたしは……
「えっ、それいい! クルミくん天才!」
ここが商店街のまんなかだということもわすれて、声を上げた。
☆
後日。
わたしと香鈴は、そろって大きなショッピングバッグをもって、千鶴の家を訪れていた。
今からいっしょにお洋服を買いにいくのかって?
ううん、ちがうよ。
ショッピングに行くのはべつの日。
今日はそれとはちがう、ビッグイベントをしにきたの!
千鶴の部屋に入ると。
部屋の中には、千鶴のふだん着ている服が、ズラリとひろげられていた。
「よ――――し! はじめよう!!!」
やってきたわたしと香鈴も、もってきた大きな紙袋をさしだす。
中に入っているのは――
それぞれの家からはこんできた、自分の服!
「3人で服を持ちよって、新しいコーデを作るなんて。ほむら、おもしろいこと考えたね!」
感心したみたいに言う千鶴。
考えたのはわたしじゃなくて、クルミくんなんだけどね。
クルミが提案してくれたのは、3人で服を持ちよって、交換して着替えたら? というもの。
それなら、その中で一番気に入った新コーデで、おでかけしたらいいなって思ったんだ!
買うんじゃなくて、もともと持ってる服を交換するだけなら、お金もかからないしね!
わたしと香鈴も、持ってきた服をならべてみる。
フリルがついてるかわいい服や、ボーイッシュな感じのする服など、いろんなものがある。
「こうしてみると3人とも、着る服のタイプがちがうね。いろんな組み合わせにチャレンジできそうだなあ」
「せっかくなら、いつもはしないコーデをめざそうよ!」
香鈴も、ワクワク顔だ。
わたしはさっそく、香鈴のもってきたシャツと千鶴のショートパンツを組み合わせてみる。
「これなんてどう?」
「色合いかっこいい!」
「それじゃああたしは、ほむらのもってきたコレを着てみようかな」
こんな感じではじまったMIXコーデ会。
え~と、ボトムスはこのスカートにするとして、トップスはどれを選ぼうか?
背の高い千鶴がワンピースを着ると、ミニ丈になってかっこよかったり。
香鈴が、わんぱくな着こなしをしたり。
ふだんとはちがう感じにイメチェンできて、すっごくおもしろい!
「こんなにあると、組み合わせ方が無限大だね」
「だね……そうだ。いっそのこと、SNSで意見を募集するのはどう? 服の写真を撮って番号をつけて、ポストするの。それで、何番と何番の組み合わせがいいか、きいてみない?」
と香鈴。
いいねそれ!
さっそく服の写真をパシャパシャ撮って、SNSにポストする。
[今友達と集まって、服を交換し合ってます。どの組み合わせがいいと思いますか?]
するとすぐに、反応があった。
[友達同士で服を交換、楽しそう! わたしは①番の白い服に、④番のキャミワンピを合わせたらかわいいと思います]
[かわいい系でいくなら、上は④で下は②か③。カッコいい系でいくなら、上⑤下①を推します!]
こんな感じで、ぞくぞくと意見が集まっていって。
わたしたちは返事といっしょに、実際に服を着た写真をポストしていく。
ヤバ! これ想像してたより、も~~~~っと楽しい!
まるでモデルになったみたいに、ノリノリで着替えと撮影をくりかえす。
そうして何度か着替えていくうちに、香鈴がついにお気に入りの組み合わせをみつけた。
「うん、この組み合わせが好き!」
選んだのは、チェック模様のプリーツスカートを使った、かわいくて涼しげなコーデ。
すっごくかわいい!
スカートはわたしが持ってきたものなんだけど、もしかしたらわたしよりも似合ってるんじゃないの?
そして千鶴も……。
「あたしは、これだな」
千鶴が選んだのは、メンズ服。
わたしが、お兄のお下がりのを持ってきてたのが、千鶴にバッチリ。
千鶴の写真をポストしたら、コメントがたくさんきた。
[えっ、カッコいい!]
[顔隠しててもわかる。これはイケメンだ!]
今日のポストの中で、いいねの数が一番多いや。
そういえばアオハルチャレンジのお題募集に、# 男装や女装をする ってのがあったけど。
図らずも、それが実現されちゃった!
「なんか今の千鶴と2人で歩いたら、彼氏?って言われそう」
「ほむらはこのあいだ、『ライの彼女ギワク』でたいへんな目にあったばかりでしょ」
あっそうだった……。
(くわしくは『アオハル100% バチバチ!はじける最強ライバル!?』を読んでね)
そして、わたしは。
香鈴から借りた、千鳥格子の柄シャツに、千鶴のショーパンをちょっと大きめで合わせて、あとは小物でビシッと決めた。
3人それぞれ、今日イチのお気に入りを着て、ほほえみあう。
「これで今度のおでかけコーデは、バッチリだね!」
「うん! これを着てみんなででかけると思ったら、さらに楽しみだよ!」
おでかけの内容は変わらないけど、ワクワクがさらに増えちゃった!
# アオハルチャレンジ をチェックしてすると、 [今度わたしも、友達と服チェンジしてみよう]みたいなコメントが、たくさんついていた。
その中にはクルミくんのアカウント、『夜明け』さんからの
[みんな、すごく似合ってる]
ってコメントもある。
スマホのむこうで、わたしたちのポストを見てほほ笑むクルミくんを思いうかべる。
ありがとうクルミくん。
おかげで今度のおでかけは、すっごく楽しくなりそうだよ!
わたしは胸をほくほくさせながら、クルミくんの返信に❤をおした。
(おしまい)
# 読者の考えたアオハルチャレンジ はまだまだ募集中!
あなたも『アオハル100%』を読んで、感想&アイディアをぜひ送ってね♪
お待ちしてまーす。
第12回つばさ文庫小説賞〈金賞〉受賞作
『アオハル100% 行動しないと青春じゃないぜ』
ぜひ読んでみてね!
2巻『アオハル100% バチバチ!はじける最強ライバル!?』
の本にも、#読者の考えたアオハルチャレンジ が入ってるよ!
な ん と!
「#読者の考えたアオハルチャレンジ」から生まれたスペシャルストーリーは、この本にも1作、入ってるよ!
本では、だれのお題が採用されているのか、ぜひチェックしてね!