編集部からのお知らせ

逃げ切れ!



5月に読みたい、サイコーに刺激的な頭脳ゲーム!

もうすぐ最新7巻が発売!
シリーズ累計10万部「トップ・シークレット」シリーズを手がける
あんのまるさんのぜったいおもしろい単行本『100億円求人』は、
ちょーハラハラする《バトル×アクション×アルバイト》


舞台は日本の海上にうかぶ、豪華絢爛なカジノシティ【トコヨノクニ】
どんな願いでもかなう「蓬莱郷」とそこに至る鍵「玉枝」をめぐる、
とんでもない「お仕事」を開始する――!
 
⇓⇓⇓もう読んでくれたみんなの感想!⇓⇓⇓
 

 「推しが見つかる」
 「本当におもしろかったです!!」
 「『スパギャラ』最高!!」
 「スリル満点、面白さ満点、逆転満点」etc
……

 
100億かせいで、逃げ切れば勝ち! 前代未聞のバトルゲームが開幕です!

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 この世界には、わからないことが、たくさんある。

 そして、わからないほうが良いことも、たくさんある。
 たとえば、伝説の武器商人、本郷武蔵が隠したかった真実とか。
 まあ、ぼくの話は、だいたいテキトウだから、信じすぎないほうがいいけどね。





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 満月が浮かぶ暗闇のなか。
 ハァッハァッ ハァッハァッ
 4つの小さな影が、古レンガに囲まれた道を駆け抜ける。
 その影の1つ――ぼくは、3人の仲間と逃げていた。
「どこだ! クソガキども!」
 背後から、男の怒鳴り声が響く。
 ぼくたちは一瞬だけ目を合わせて、吸う息すら押し殺して走りつづけた。
「よし、こっちに逃げよう」
 入り組んだ道の先を確認して、ぼくは3人に合図する。
「このままやと、見つかってまう!」
「ハァッ ぼ、僕、ハァッ もうむりっ」
「なんでこんなことになったんだよ」
 なんでこんなことになったか。
 それは、ぼくらがあるゲームをしたから。
 ぼくたちは、その勝負に勝った――はずだった。
「絶対に逃がさねえぞ!」
 男の足音が、すぐそばまで来てる。そのとき――
 ガッ 息絶え絶えだった仲間が、盛大に転んだ。
「ぐぇっ」
 その声に、背後の足音が、一瞬止まった。
 心臓が、ドクッと跳ねる。
 場所が、バレたんだ!
 仲間を立ち上がらせて、ぼくたちは全速力で角を曲がった。
 でも、その先は――行き止まり。
「両手を上げろ」
 ゆっくりと振り返れば、男が銃を構えていた。
 ぼくらは、逃げきれなかったんだ。
 両手を上げたぼくたちに、つきつけられたのは。
 銃弾ではなく――ガチャッ 
 “首輪”だった。
「この軍用デバイスは、お前たちの位置も音声も、全てを監視する。このスイッチを入れたら、お前たちが100メートル以内に近づいた瞬間に、これは爆発する」
「「「「そんな!」」」」
 声をあげるぼくらに、リモコンをにぎった男は言った。
「100億円だ。100億円で、この首輪を外してやる」
 そして、男はするどい眼で笑った。





「お前たちは、絶対に、逃げられないからな」





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 SECTIONⅠ どんなゲームをしようか


 1.100億円求人


― 4年後 ―
 はじめまして。
 最初に一言で自己紹介をするなら。
 ぼくは、自分を表すのに“ちょっと変わってる”って言葉を選ぶ。
 いまこれを読んでいるきみに知らせておきたいのは、ちょっと変わってるぼくの物語には、不思議な能力を使える石も、世界がおわりに近づく陰謀もないってこと。
 あるのは、うそつきなぼくらが、中学2年生の夏休みに、ある求人に参加する話だ。
 でも、面白さは保証する。
 だって、剣道部のただの14歳のぼくの首には。
 “首輪”がある。
 24時間監視される、絶対に外せない枷が。
 4年間、そんなものをつけてるぼくの話を、きみもきっと気に入ると思う。
 これからぼくの話をはじめる前に、もう1つ、2つ、自己紹介をしておきたい。
 ぼくの名前は、高橋勇誠。
 ぼくにはいわゆる、衝動的に行動してしまうところがある。
 スパァーンッ
 そう、いままさに、竹刀を振り下ろしたところなんだ。

「はぁ」
 夏休みの1日目が終わる、夕暮れどき。
 ため息をついたぼくは、小走りで住宅を通り抜けた。
 だれも追いかけてこないってわかっていても、ぼくの歩幅は広くなる。
 剣道着や防具の入ったバッグと、布袋に入った竹刀が、何度も跳ねてぼくの背中にあたる。
「夏休み、もう部活には行けないな……」
 首についた枷が、いつもより苦しく感じて、ぼくはのどに手をあてた。
 ふいに思い出すのは、4年前の夏休みのこと。
「みんな、いま何してるかな……」
 一緒に過ごした3人とは、いまは連絡がとれない。
 あのとき、あの男から逃げきれていたら、いま、どんな生活を送れてたんだろう。
― 「100億円で、この首輪を外してやる」 ―
 ぼくらを捕まえた男は、4年前にそう言った。
「100億円かぁ、ほしいな」
 沈む間際の陽が、空を紫に染めるころ。
 ぼくが足を止めたのは、人気のない路地裏の先にある、廃工場。
「ここに来るの、ひさしぶりだなぁ」
 嫌なことがあったとき、家に帰りたくないとき、ぼくはここにやってくる。
 うす暗い工場内には、さびれた掲示板があって、いつ来ても新しい紙が貼ってあるんだ。
 多いときで10枚、少ないときでも3枚はある。
「今日は、4枚か」
 紙に書いてあるのは、“求人”だ。
 それも、ふつうのインターネット上や求人広告にはのってないようなもの。
 ちょっと変わってる不思議なお手伝いとかが多くて、おこづかい程度にしかならないものだ。
「この夏休み、部活に行かないで、家にも帰らなくていいのがあればいいな」
 ふと、ある1枚の紙が目にとまった。
 その求人内容を見て、ぼくは思わず笑い声を上げた。
 あの最高で最悪の夏休みから、4年。
「あっははっ 行こう」
 そこには【100億円求人】って書かれていた。

 こうしてぼくは、この夏、最高の逃げ道を見つけた。


最高にクールな赤いカバーが目印☆

この5月、書店でぜひゲットしてくださいね!
(売り場がわからないときは、書店員のかたに確認してみてくださいね)



感想ぞくぞく!!

「どこまでが4人の計画なのか」が予測不可能でおもしろい!!
『トップ・シークレット』のナノが大好きな『MA』が少しだけでてきてうれしかったです!
全員"自分がいちばん"な感じだから裏切ることは簡単にできるけれど、団結できるときは団結して4人でピンチを乗り切るところが良い!!

最後の展開にもとても驚きました! まさか○○が伏線だった…!?
――mikoto(14歳)

 

今後の展開がわからず、読んでいるときにハラハラドキドキすることが多く、とてもおもしろかった。
自身が同年代であるためわかる主人公たちの能力の高さは圧倒的で素直にすごいなぁと思ってしまった。登場人物の過去と性格の結びつき、伏線のはり方がさながら推理小説で真実を知った上で読み返すとまた新たに気がついたことや主人公たちの行動心理が見つかり何回でも楽しむことができた。
推理小説が好きな人、ハラハラドキドキを楽しみたい人必見の作品だと思う。

――ひかまる(14歳)

 

予想の出来ない展開にドキドキしました!
今の日常にあきている人に読んでほしいです。
スパギャラの4人の関係性が面白かったです。
私はあざみが好きです。なぜなら私が嫌なことがあったら逃げているばかりなので、自分でやり返すあざみにあこがれるからです。
スパギャラでバロイア国に○○するシーンが一番好きです!
1人でも欠けたらスパギャラじゃないです!
また、○○○○○○○○○○○○た勇誠はどうなるのか、○○○○○○たスパギャラ4人はこれからどうなるのか、とても気になります!
「100億円求人」面白かったです!ありがとうございました!!

――N(14歳)

 

このお話でおもしろいと思った所は3つあります。
1つ目はそれぞれの個性的なキャラクターです。1人1人に特技やデメリットになる個性あふれるキャラクター設定に魅かれました。
2つ目は大きく動くストーリー展開です。
物語が1度展開するだけで、とても大きく物語が動きます。そのたびにドキドキが止まりません。まるで物語に入ってる気分がします。
3つ目はラストシーンです。
ラストのシーンでは○○○○○○○○○○事や、○○○○○○○○して、とても盛り上がりました。
僕、個人としては椋露路の「○○○○や!」のシーンがすっごくかっこよくて、心の中で「来たー!!」と思い盛り上がりました。
このお話は周りから嫌われていたり独特だと思っていたり思われている人に読んでもらいたいです。きっと読めば世界が変わるはずです。

――お大福様(13歳)

 

常に、ハラハラ・ドキドキな物語でした。
みんなに読んでほしい!特に、冒険が好きな人におススメです。
「スパギャラ」4人の友情がとても固いところが好きです。得意分野で活躍するシーンが気に入りました!
男女問わず、友達みんなにおすすめしたい 1冊です!

――ことみ(12歳)

 

大ピンチの状態でも、どんなに負けていても必ず『大逆転』に変えてしまうところが4人のすごいところだと思います。
特に、高橋がサイに「スパギャラ」について説明しているところがとてもかっこよくてお気に入りのシーンです。
スリル満点、面白さ満点、逆転満点の本なので怖い話やジェットコースターが好きな人は特にオススメです!

――けい(12歳)