編集部からのお知らせ


『スイッチ!⑮ フィナーレは絶体絶命の文化祭!』は、
3月12日㊌発売~~~~!!!(発売まであとすこし!)

最終巻のテーマは『文化祭』!
――男子たちの呪いはとける?
――まつりと男子たちの恋のゆくえは?
――結婚はどうなる?
最終巻もまたまた事件の連続で……?

展開が予測できない最強ラブコメ最新作を
先行ためし読みしちゃおう!

\発売日まで毎日更新していくよ!!(全5回)/
「みなさん、準備はいいですか? 
それじゃあ、いっちょ行ってみましょー!!!」

「スイッチ!⑮ フィナーレは絶体絶命の文化祭!」




2 証明します!

 ここは四ツ葉学園の裏庭。
 レンさんと翼さんにニセカップルだとからかわれた私は、和月さんの唇を奪うべく全力でタックルした。
「わ─っ!」
 ドーン! という音とともに、椅子から和月さんがひっくり返り、その勢いのままドスンと私も一緒に倒れたはず――。
 ですが、痛くない?
 おそるおそる目をあけると、どアップの和月さんと至近距離で目があった。  
「大丈夫? 痛くない?」
「申し訳ありません。和月さんは大丈夫ですか?」
「俺は大丈夫。まつりちゃんにケガがなくて良かった」
 私は安心したように笑う和月さんの後頭部にそっと触れた。
「いてっ」
 和月さんが痛そうに顔をしかめるので、私も身体もつられるようにビクリとはねた。
「ひいいいいいいいいいっ。大事なタレントにケガを負わせるなんて! 和月さん大変申し訳ありません! タレントを守る立場の私こそが下敷きになるべきでしたのに!」
 何があっても私が和月さんを守らなければいけないのに、こんなの大失態です!
「タレント云々の前に、まつりちゃんは俺の大事な人なんだよ。ケガなんかさせてたら自己嫌悪で死んでたよ。まつりちゃん、その方が寝覚めが悪くて困るでしょ」
「たしかに……。和月さんには今みたいに笑っていて欲しいです」
「じゃあ、これでこの話はおしまい」
「和月さん――助けてくださりありがとうございました」
「ちょっとちょっと! 何良いムードになってんの」
 予想外の流れに慌てる翼さんをチラリと見てから、和月さんは私に視線を戻した。
「そうだ。キスがまだだったよね」
 とろけるような声でそう囁かれ、私はビックリして和月さんの顔を見た。
 和月さん、なんかスイッチが入ったように感じるのは、気のせいですか!?
 和月さんは立ち上がってから私の手を取り立ち上がらせると、そのままグイッと引き寄せる。
 一気に距離が近づくと、今度は和月さんが両膝をついて目の前にしゃがみ込んだ。
 ふと視線をあげた和月さんと至近距離で目が合う。
「バタフライキスって知ってる?」
「ちょうちょのキス……って意味ですか」
「そう。目は絶対につぶらないでね。こうやって――するんだよ」
 両膝をついた姿勢から立ち上がり、顔と顔がくっつくんじゃないかってほど近づくと――。
 サラリと和月さんのまつ毛が私のまぶたに触れた。
「はい。おしまい」
「い……今のが……バタフライキスって奴ですか?」
「まつ毛のキス。これならまつりちゃんでも大丈夫?」
「大丈夫かどうかと聞かれると、ちょっとわかりません」
「じゃあ、もっかい試してみよっか」
 和月さんはそう言うと、クスッとほほ笑んだ。
 ぐああああっ。そんな甘い表情でほほ笑まないでくださいーっ!
 いったん身体ごと顔をそむけてみたけれど――。
 ここで逃げだすとレンさんと翼さんに負けた事になってしまうので、私は居ずまいを正して向き直り、和月さんの顔を改めて観察してみた。
 よく見ると、色素の薄い髪に、量の多いまつ毛、整った鼻筋に薄い唇。
 うーん。さすがは大人気アイドル!
 美しい顔面というのは、性別なんて超越するのかも知れません。
 男子と思わなければ……い……いける……かも?
 私は覚悟を決めると和月さんの頬を両手で包み込んだ。
「失礼します」
 和月さんの顔を両手でつかみ、ゆっくりと自分の方に引き寄せた。
 和月さんの顔がどんどんと近づき……。
「うわあああああああああ。やっぱりムリです!」
 まつ毛が触れるか触れないかの距離でいたたまれなくなり、思いきり和月さんを突き飛ばした。
「なっ。やっぱりできないじゃん! ――って和月!?」  
 翼さんの声がしたのと同じタイミングで、和月さんとの距離がグンと近くなり、和月さんの唇が一瞬だけ触れた。
「!!!!!?△◎$$“#!?」
 真っ赤になって後ずさりする私を見て、和月さんはニッコリと笑った。
「ごめん。待ちきれなかった」
「――和月、オマエ」
「レンきゅん、何怒ってるの? キスの話をふっかけてきたのはそっちじゃん」
「オマエからしていいなんて言ってないだろ」
「あれ? 婚約者とキスするのに、なんで部外者のレンきゅんの許可を取らなきゃいけないわけ? 必要ないよね」
「オマエ――」
「スト─ップ! ケンカはやめてください」
「ポチ子は和月にキスされて平気なの!?」
「キスしてません。未遂です!」
「未遂?」
「唇と唇は触れてないので――問題ないです」
「じゃあ。どこが触れたの?」
「この唇の端です! ですから断じてキスでは――」
 そう告げようとした瞬間、翼さんがニッと笑い、同じ場所に唇が触れる。
「問題ないなら僕もいいよね?」
「なるほど。そういう事か」
 ひいいいいいいいいいっ。翼さんだけでなくレンさんまで!?
「ギョエエ、なな……なんて事をするんですかーっ!」
 ゴシゴシと制服の袖でこすりながら、私が怒りを爆発させると――。
 ピンポンパンポーン。
 校内スピーカーから、アナウンスが聞こえた。
『緊急集会をはじめます。学校に残っている生徒の皆さんは校庭にお集まりください』
「緊急集会って……」
 なんだか嫌な予感がして、私たちは顔を見合わせた。
「これってボイコットしてもいいと思う?」
 翼さんがそう言うと、
「聞いておかないと、あとあと面倒な事にならない?」
と、和月さんはわざと軽い口調でそう返した。
 たしかに知らないままの方が気持ち悪いってもんです!
「和月さんの仰る通りですね。行きましょう!」
 私たちは大きくうなずきあうと、校庭へ向かって走りだしたのだった。

今日の更新はここまで!
第3回は明日12時更新予定! 楽しみに待っていてね☆



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