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今日は、
『スイッチ!⑮ フィナーレは絶体絶命の文化祭!』
の発売日~~~~!!!
最終巻のテーマは『文化祭』!
――男子たちの呪いはとける?
――まつりと男子たちの恋のゆくえは?
――結婚はどうなる?
最終巻もまたまた事件の連続で……?
展開が予測できない最強ラブコメ最新作を
先行ためし読みしちゃおう!
\今日はためし読み最終日!/
「みなさん、準備はいいですか?
それじゃあ、いっちょ行ってみましょー!!!」
「スイッチ!⑮ フィナーレは絶体絶命の文化祭!」


5 思い通りにはさせません!
ここは四ツ葉学園の校長室。
ここにいるのは、私とリンリンさんの二人です。
「リンリンさああああん! この通りですーっ」
「ひいいいいいいいいいいっ」
私はモモンガのごとく、リンリンさんに向かってとびついた。
「痛った。いやーっ、ウチに頬ずりせんとってーっ!」
「リンリンさんと私は友達じゃないですかっ。そろそろあきらめて慣れてください!」
「慣れるわけないやろーがっ!」
「ひひひ。ちゃんと話し合ってくれないと、もっとしますよおおお」
「アンタ、なんちゅー笑みを浮かべるんや。わかった! わかったから」
リンリンさんは立ち上がり、スカートについたほこりをパンパンと払った。
「用件があるなら、はよ言って」
「今から知り合いに教わった高速土下座をお見せしますので、取り戻すための費用をお安くして頂けないでしょうか─っ!」
一気にそうまくしたてると、私は勢いよく頭を下げた。
シーン。
リンリンさんからの返答はなく、私はおそるおそる顔をあげる。
「へー。できひんの?」
「できないですよ! だって高すぎますから! リンリンさんは強欲すぎです!」
私はリンリンさんに向かってそう言い返す。
「まつりがそんなつまんない事言うとは思わんかったなぁ」
リンリンさんはそう言うと、私の目をじっと見つめた。
「ええの? アンタは今、四ツ葉学園の生徒を信じられへんって言ったんとも同じやで」
「そんなつもりは……ありません」
「つもりはなくても、実際そう言ってるのと同じや」
たしかに……リンリンさんの仰る通り、『今の四ツ葉学園にはそんな力はない』と私が認めてしまった事になる。
「……撤回します。3億……いや、4億稼いでやりますよ!」
「ははっ。それでこそまつりや! ま、どうやってもそんな大金稼ぐなんて無理やろうけどな」
リンリンさんは冷たい声でそう言い切った。
「そもそも今回はアンタがかかわっても、成功できるわけないんや。まつりの事、調べさせてもらったで。アンタの女神の力、もう終わってる」
リンリンさんは冷たい口調でそう言うと、私に向かって人差し指をつきたてた。
「ええか。アンタの芸能を司る女神の加護がなくなったら、四ツ葉学園はあっと言う間に芸能学校として落ち目になる」
私はリンリンさんの厳しい言葉に、ゴクリと生唾を飲み込んだ。
「アンタと仲良しこよしのメンバーたちにはまだ変化が見られんさかい、ピンと来てないかも知れないけどな」
「たしかに、芸能科の生徒たち全体の出演率が大幅に減ってきているのは知っています」
私の返しを聞いたリンリンさんは、ほうと見直したように眉をあげた。
「知ってたんか。なら話が早くて助かるわ。だからこそウチは、この学校が腐る前に新しくしてあげるって言ってるんや。ありがたい話やろ」
「だったら一緒に、協力すれば――」
「できるわけないやろ」
リンリンさんにキッパリと拒絶されたが、私は負けじと言葉を続けた。
「なぜですか? 私たちにはリンリンさんが必要です。私たち――お友達でしょ?」
「ウチはまつり……アンタの事がこの世で一番嫌いや」
リンリンさんは私に向かってそう告げると、口の端を少し上げて笑った。
「今のアンタは何の力もない、金のにおいのせんアンタにはもう何の価値もないやろ」
「――この世で一番……」
「ごめんなー。そんな傷ついた顔せんで」
「う……嬉しい」
「はあ!? 嫌いって言われて喜ぶアホがどこにいる!」
「私は嬉しいですよ。だってリンリンさんの中では、気になる存在ってことですよね。空気のように、見えないとかでなく、むしろつい! 見てしまう! みたいな」
「なんか……めっちゃイヤやな」
「じゃあ。やっぱり嬉しいです。リンリンさんは私の事、対等なライバルだって思ってくれてるって事ですから!」
「ライバルぅ!? ようもまぁ、そんな事言えたな!」
リンリンさんは本気でイヤそうに顔をゆがませた。
私としては、リンリンさんが良くも悪くも興味を持ってくださっているという事は、光栄な事だなと思うのです。
「リンリンさんは私の中のラスボスみたいな存在ですし! 強敵の存在はめちゃくちゃテンション上がりますよ!」
「アホらし。びた一文負けんから。ちょっとは負けてやろうかと思ったけど、やーめた」
「ギャー! それとこれとは話が別です」
「面と向かって嫌いって言われて、ケチョンケチョンにされてもアンタはウチが好きやって言うんか?」
「はい」
「なんで……そんな事言えるん?」
「そんなの可愛い女の子だからに決まってるじゃないですか!」
「――アホらし。アンタの事、ホンマめっちゃ嫌い!」
「うそです。そりゃ、傷つきます」
「――ほら、やっぱり。アンタもウチの事、本当は憎んでるんやろ」
私はリンリンさんの言葉に首を横にふった。
「このまま、もし会話が終了したら、本当に嫌いになっちゃうかも知れないじゃないですか。そっちの方がイヤなんです。私はリンリンさんの友達になりたいですから」
「カッコいい事言ってるけど――ハアハアしながら言うんやない。もっと緊張感持てんの?」
「大変な時にしょげてても仕方ないじゃないですか」
悲しむよりムリにでも笑ってやります。
そうすれば、さらなる禍が逃げていくような気がするから。
「アホらし。話はしまいや」
くるりと後ろを向き歩きだすリンリンさんの背中に、
「リンリンさんっ。待ってください! もっと話しましょう!」
よよと手を差し伸べるも、リンリンさんは一度も振り返らず、かえっていくのでした。
ためし読みはここまで!
学校が廃校!? 結婚はどうなる!?
気になる続きは、今日発売の「スイッチ!⑮」をチェック!!
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