編集部より
NEW!
『怪盗レッド』シリーズのフィナーレの30巻を読んだあとも、
でも、やっぱりまだまだ、アスカとケイのこと、それ以外のたくさんのなかまたちや、敵たち、友だちのお話、読みたいことだらけだよ!って思っている人も多いんじゃないかな?
「おかわりリクエスト受付箱」から、あなたの読みたい話、送ってね。
そして、記念すべき「おかわり第1作」がこちら!
「翼さんと美緒さん……ってだれ?」 って思った?
アスカのお父さんとお母さんだよ!
まずは、読んでみて!
怪盗レッドおかわりスペシャル短編☆翼と美緒のマフラー
◆2◆
日曜日になって、わたしは翼くんとの待ち合わせ場所に向かった。
服選びに時間がかかって、待ち合わせ時間の5分前ぐらいになっちゃった。
この時間だと翼くんは…いたっ!
わたしを見つけて、笑って手をあげている。
小走りでかけていった私は、
「ごめん、待たせちゃってっ」
「時間より早くきたのは、おれのほうだ。どこかで休むか?」
走ってきたわたしの息があがってるのを見て、翼くんがきいてくれる。
「ううん大丈夫。少し歩こう」
わたしは言って、翼くんと並んで歩きだす。
バッグをちらりと確認する。
マフラーは入ってるけど、まだ渡すタイミングじゃないよね?
「映画でよかったか? ほかに行きたいところがあれば、今からでも変えるが」
「ううん! ちょうど映画が観たかったから。それにわたしたち映画の趣味も合うし」
わたしはあわてて翼君に向きなおる。
「恋愛映画よりアクション映画、な?」
翼くんがそう言って笑う顔にドキドキする。
そう、わたしと翼くんは映画や物語の好みが似ている。
アクションでハラハラさせてくれるから好きで、恋愛ものはあんまり。ホラーはそこそこ。
それより、これ…
映画館で渡すのは…なしだよね?
暗いし、なにを渡されたのかもわからないだろうし…?
◆
「あーおもしろかった!」
わたしたちは2人で選んだアクション映画を観て、満足して外に出た。
「昼はどうする?」
「ファミレスにしようよ。いっぱい食べられるし」
翼くんにきかれて、わたしは答える。
翼くんはたくさん食べるから、おしゃれなお店だと、満腹にならなかったりするんだよね。
「いや…いつも美緒に合わせてもらってるし。今日はほかでも…」
「いいの。このあとのデート中、翼くんがおなか空かせたままなんてイヤだからね」
「…すまん。美緒にはかなわないな」
翼くんはそう言って頭のうしろをかく。
そしてわたしたちはファミレスに行って遅めの昼食をとった。
翼くんは、あいかわらず豪快な食べっぷりで。
とっても美味しそうで、それを見てるだけで、わたしはすごく気持ちがいいんだ。
さて。
そろそろ……かなっ?
◆
今!
このタイミングが、マフラーを渡すのにいい気がする!
ここを出たら、次にゆっくりできる場所がどこかわからないし。
すると、
「それで? 美緒はさっきからどうしたんだ? ちょいちょいバッグに目をやってるけど」
ドキッ!
ナプキンで口もとをふいた翼くんが、うながすように、わたしを見る。
あーあ…どうやら、すっかりバレちゃっていたみたい。
やっぱり翼くんには、隠しごとなんてできないなあ。
「え~と…じつは今日はプレゼントを持ってきてるんだ」
「プレゼント? おれは誕生日とかではないが」
「わかってるよ。そういうんじゃなくて、とにかくこれっ」
わたしはバッグから取り出したラッピングを差しだす。
「本格的だな。開けていいか?」
とまどいながら受けとった翼くんがきく。
「いいよ」
わたしが、こくりとうなずくと。
翼くんは、ていねいな手つきで、ラッピングを開けた。
「これは……」
◆
「これは…マフラーか。美緒の手編みか?」
中から出てきた真っ赤なマフラーを見て、翼くんが目を見ひらく。
「う、うん。ちょっと派手かなと思ったんだけど…」
「いや。一番好きな色だ」
翼くんはニカッと笑うと、そのままマフラーをその場で自分の首に巻いてくれる。
「まだ、ちょっと暑いけどな。似合うだろ?」
なんて、おどけて肩をすくめる翼くんに、わたしは思わずふきだしてしまう。
「ありがとう、美緒。最高のプレゼントだよ。大事にする」
と、翼くんは、全開の笑顔になる。
わたしが、編みながらずっと想像してた笑顔。
それが見たかったんだ。
…本当に。
わたし、翼くんを好きになってよかったよ。
◆◆◆
「ねーねー、ママ。そのマフラーって、パパがいつもしてるやつ?」
ひざの上にすわった娘のアスカが、わたしを見上げながら、きく。
「そうだよ」
色は少しあせて、ところどころ毛羽立っているけれど、翼さんは冬になると必ず、このマフラーを巻いてくれる。
「翼さんは、物持ちがいいんだよね。でも、さすがに古くなってきたから、新しいのをあげようと思って」
わたしはテーブルの上においた編みかけのマフラーを見る。
今度ももちろん、同じ色合いの真っ赤なマフラーだ。
「アスカも!マフラーあみたいっ!」
「いいね。じゃあ今度、編み方を教えてあげる。そうしたら、アスカも編んであげられるよ」
「やったっ!」
とひざの上ではねたアスカが、すぐ不安そうに首をかしげる。
「…でも、わたし、ぶきよう、だよ?」
この間、料理のお手伝いをして大失敗したのを、気にしているらしい。
「わたしもそうだよ。だから、いっぱい練習して、覚えようね。ママもそうしてきたから」
「うん! それで、いつかパパのマフラーをあむねっ」
「アスカからもらったら、きっと翼さん、泣いて喜ぶよ」
わたしは微笑みながら、アスカの頭をなでる。
ふふっ、そのときは。
翼さんに
「わたしのマフラーとアスカのマフラー、どっちを使うの?」
ってきいて、こまらせちゃおうかな。
そんなことを考えて、わたしはくすっと笑った。
今回の『おかわりスペシャル短編』はこれでおしまい!
次の更新が決まったら、またお知らせするので楽しみに待っててね。
コンビニプリントでしか読めない秋木真さん描き下ろし小説
『お母さんの思い出』もうチェックした?
このお話は、コンビニプリント用に秋木真さんが書き下ろした小説『お母さんの思い出」と、対になっているよ!
そろえて読んでみると、両親と、アスカのあたたかな絆が感じられて感動的。オススメです!❤
ファミリーマート、セブンイレブンのコピー機からプリントできるよ!
アスカとケイのお父さんたち――
初代怪盗レッドが気になるあなたには、これ!
アスカのお父さん・翼さんと、お母さんの美緒さんのことが知りたいあなたは、
角川つばさBOOKSから刊行されてる
『怪盗レッド THE FIRST ここから、すべては始まった』 『怪盗レッド THE FIRST 誰のために、戦うか?』
の2冊を合わせて読むと、さらに感動しちゃうはず!
この2冊は、アスカのお父さん、ケイのお父さん、そして美華子さんが小中学生のころのお話。
ある理由から、ケイのお父さんの圭一郎さんは、紅月とはちがう名前で、都会で育っていたんだけど、そこに、翼と美華子がやってきて……!?
生き別れだったきょうだいがそろって、「初代怪盗レッド」をはじめるお話!
そして、アスカとケイのお母さんたちも登場しているよっ。
本編では、ずっと前に亡くなっている2人だけど……でも、アスカとケイにつながる、素敵な出会いが読めるよ❤