編集部より
NEW!
『怪盗レッド』シリーズは完結しても…、
まだまだ、アスカとケイのこと、それ以外のたくさんのなかまたちや、敵たち、友だちのお話、読みたいことだらけだよ!
って思っている人のために、つくった「おかわりリクエスト受付箱」から、記録係・秋木真さんが短編を書いてくれました!これは、絶対に読みたかったお話!!!
怪盗レッドおかわりスペシャル短編☆桜子の冒険(中)
カフェでくつろいでいた桜子の目の前にあらわれた、美青年……彼はいったい、だれ!?
(って、ファンなら絶対わかるよね。笑)
★☆★
目の前に、とんでもない美形だけれど、とんでもなく怪しげな男の人が立っていた。
アロハシャツみたいな明るい柄シャツに、金髪。
サングラスを少しずらした奥の目は、綺麗な海色をしていた。
「……どうぞ」
私はこたえる。
知らない相手だったら、すぐに席を立っていたところ。
でも……この人とは会ったことがある。
マサキの「主様」だ。
それが“雇い主”という以上の意味を持つのだろうことは、なんとなく感じていたけれど。
わたしは、ほとんど知らない。
わたしに、なんの用事だろう……
っていうか、マサキもいっしょ?
思わず私は、まわりをキョロキョロ見まわす。
すると、
「ごめんね。今日はマサキはいっしょじゃないんだ」
私の様子を見て、織戸さんが肩をすくめる。
「そうですか」
「ああ、ちゃんとした自己紹介もまだだったね。
おれは織戸恭也。『恭也』と呼んでくれていいよ」
「わかりました、織戸さん」
私は「織戸さん」の部分を強調して返す。
織戸さんは、そんな私を楽しげな顔で見ている。
世の中のフツウの女の子なら、こんな美形に見つめられたら、ドキドキしたりするのかもしれない。
でも私には、きれいな彫刻と目があったかなっていうような感覚だ。
「――なるほど。きみも、おもしろいね。
マサキと気が合うわけだ」
「あの……マサキがどうかしたんですか?
さっきも、いっしょじゃないって」
私の関心事はそっちのほうだ。
「それなんだ。ちょっと君の手を借りたくてさ」
……いやな予感がして、私はおもわず真剣な顔になる。
「なにがあったんですか?」
「うん。――マサキが誘拐されたんだ」
「大変じゃないですかっ!」
思わず大きな声を出して、立ちあがってしまう。
お店のスタッフさんやお客さんから、一気に視線が集まって、
私は頬を熱くして、ぺこぺことまわりに頭を下げる。
でもっ。
この人、なにをのんきそうにしてるんだろう。
誘拐……って、警察に通報⁉
……は、ダメっぽいよね。
っていうかマサキも!
あんなに強いくせに、なんで誘拐なんてされてるのよ⁉
「まあ落ちついて、子猫ちゃん。
そのために、俺もここにいるんだからさ」
と、織戸さんが緊張感のないまま言う。
「…手がかりは? あるんですか」
私は深呼吸をしてから、むきなおる。
「うん、あるよ。ただ難しくってね」
そう言って織戸さんは1枚のメモをテーブルの上においた。
メモには、ぎっしりと数字が並んでいる。
パッと見た感じの規則性は、7桁から10桁ぐらいで数字が区切られていることだろうか。
「その解析を、きみに頼みたくってね。
必要ならパソコンは用意…」
織戸さんが言い終わるより早く、私は自分のバッグからノートパソコンを取り出した。
テーブルのコップを端によせてから、
パソコンを起動する。
――この数字の並びなら、座標?
それにしては数字が多すぎる。
アナグラム……置き換える暗号……。
「これは……本物だねぇ」
織戸さんがなにか言っていたけど、ただの音として、私の耳をすり抜けていた。
「――わかりました」
わたしはかまわずに、話しつづける。
「この数字は座標です。まずかつてイギリスの諜報機関が使っていた方法で暗号を解読したあと、日本語に置き換え、それをさらにCIAが昔使っていた符丁を元に数字に変換すると、座標になりました」
ノートパソコンから顔をあげて、私は深く息を吐く。
「はやいな!」
いつの間に頼んだのだろう、フルーツパフェを食べていた織戸さんが、驚いた声をあげる。
わたしが、一気にまくしたてるように言うと、織戸さんはスプーンを片手に
「そ、そう」
とコクコクとうなずいた。
「行きましょう!」
私はノートパソコンをしまって立ちあがる。
「今から? もう遅いよ」
カフェの窓の外は日が落ちて真っ暗になっていた。
数時間ほど集中していたらしい。
「誘拐ですよ! 時間が勝負です!」
「う、うん……そうだね」
なぜか気圧されているような織戸さんをひっぱって、会計をすませて、カフェを出る。
「それで座標はどこを示していたんだい?」
「ここです」
私はスマホのマップで、座標を入力して示す。
「ザッカルト諸島の1つか。いわゆる南の島だね。
今なら気候がよさそうだ」
「そんな、のんきなことを言ってる場合じゃありません!」
「わ、わかったよ。すぐ手配する」
織戸さんがどこかに連絡している間に、私はお母さんに「友だちの家に泊まる」と連絡する。
つづけて、七音に今日わたしが泊まっていることにしてもらえるよう、メッセージを送る。
七音ならきっと、うまく口裏をあわせてくれる。
でも、七音には、あとでちゃんと事情を説明しないとね。
「手配がついたよ。行こうか」
織戸さんの声にふりかえると同時に、目の前の道路に、ド派手なオープンカーが止まった。
(つづく)
恭也が呼んだオープンカーに乗っているのは…あの人!!
このつづきは、10月23日(金)に公開するよ!お楽しみに!
コンビニプリントでしか読めない秋木真さん描き下ろし小説
『怪盗ファンタジスタの家族』もあるよ!
本に入らなかった怪盗レッドの短編が、コンビニプリントでゲットできるよ!1話あたり200円!
そのほか、1~30巻の表紙イラストや、そのほかほしかったイラストもあるから、お近くの
ファミリーマート、セブンイレブンのコピー機でチェックしてみてね。プリントできるよ!
桜子とマサキといえば、こちら!
アスカ、ケイにつづいて大人気の2人が、桜子とマサキのコンビ。
2人をおいかけてたよって人も多いんじゃないかな?
読み返すなら、この巻だよ!