編集部からのお知らせ


大人気シリーズ『こちらパーティー編集部っ!』完結記念☆
深海ゆずは×歴代担当編集のスペシャル対談、第3回!
今回も、『こちらパーティー編集部っ!』の制作ウラ話をたっぷりおとどけするよ!

※座談会の内容には、一部ネタバレもふくまれているよ! ぜひ、『こちらパーティー編集部っ!』シリーズを読んでからチェックしてね!

13巻目の思い出がいっぱい……!?


さて、第3回は、3代目の担当者Kさんのお話を聞こうと思います。 13巻から、Kさんに変わったんですよね。


Kさんの作ってくださった13巻は、絵がとても好きで。 1枚めにどーんと王子とゆののイラストが入るんですよ……。 ゆのママにたのまれて、ゆのを起こしにきた王子と、ゆのが言いあらそってる場面なんですけど。 「ためし読みで読めちゃうのに、こんなドキドキのシーンのせていいのかな?」って思っていました。



ちなみに……この巻は『こちパっ!』シリーズの中でも、とびぬけて原稿が遅れてしまって……〆切をぶっちぎっちゃって……。 Kさんに、毎日「今日は何枚書けましたか?」と電話させるみたいな極悪非道なことをしてしまって……(震)。


………………。


そして、歴代の担当者の中でも、Kさんは、特に勘がするどくて……私が原稿から逃げようとしたタイミングで、なぜかメッセージが飛んでくるんですよ! 「もう無理だ……」とふらりと席を立とうとしたとたんに、「深海さんっ、がんばってますか!」ってメッセージが届いて「ヒッ!」となって席にもどる(笑)。


逃がさないね。


Kさんってエスパー!? あたしのこと見えてるの!?って。


黒魔術使いなのかもしれないな………私も教えを請(こ)いたい………。


うふふふふ……キケンなので教えてあげられないです……。 この13巻は、初めて会った気のしない灰塚先輩のおばあさまが登場したり、トウマ先輩の泉の妖精が出てきたりで、展開もイラストもほんとにぶっとんでましたよね。 ひなこちゃんの『かわいくておいしそうなのに、背景が異様に不穏なアイシングクッキー』も思い出深くて、深海さんの書く「かわいい」「かっこいい」「おもしろい」のすべてを、全力フルスイングでイラストにして打ち返してくださる榎木さん、さすがすぎる……!と感服しつつお仕事してました。

作家になったキッカケは思わぬところに……!?


そういえば、そもそも深海さんが作家になったキッカケってなんだったんですか?


じつは編集者だったころ、ある編集者さんと「どのジャンルも編集は忙しすぎるね」「あ!じゃあ作家になっちゃえば!? そしたら私が担当になってさ。いっしょにアイスとか食べながら仕事できたらいいよねー」「いいっすね!」という世間話をしたことがありました。 その後、現実逃避にポチポチと原稿を書きはじめたような気が……(笑)。


そんな雑談がきっかけで、深海さんはデビューしたんですね! 運命ってわからない……!


読者さまと編集者さまに恵まれただけです!


ちなみに、アイスを食べるようなほのぼのした打ち合わせは、したことがないですよね(笑)。


4代目の担当Aさんとは、どんな思い出がありますか?


じつは、Aさんと私には共通点があって。 ふたりとも、若いころに趣味全開の同人誌(編集部注:同じ趣味を持つ人たちがあつまって個人的に作る本のことだよ!)を作ってたことがあるんです……。 だから、私たちが「いっしょに楽しく」本を作ると、つばさ文庫からとびだして同人誌になってしまうんじゃないかって心配でした……。


そして、THE☆予感的中。「コラボ本」を作った。


2代目担当のOさんのころから「『こちパっ!』と『スイッチ!』の2つのシリーズをやっているからには、いつかコラボ本を作りたいね」という話をしてたんですよ⁉ あくまでもまじめな企画としてね⁉ でも、そうは言っても、実際に作るのはむずかしいよな……なんて思っていたら、Aさんがめちゃくちゃヤル気でターボをかけてきて。


深海さんの4代目担当になって、いちばんよかったのは、自分の代でシリーズの大きな伏線を回収できたこと。(編集部注:お話の中でほのめかしていた部分が結末の内容につながることだよ) 何度やっても、編集者みょうりにつきるなって思うので。 そして、やっぱり、「コラボ本」という、アイデア一発の本を作れたこと(笑)。 でも、まさかあんなに大変だとは思ってなかった……。


え……。


企画の初期に「ゆのとまつりの中身が入れ替わっちゃうんです!」ってネタをきいたときは、「めちゃくちゃおもしろそーですやん!」以外のコメントなかったんです。 でもねえ……イラストレーターさんの大変さを考えたらね?


ああ…………。


だって、榎木さんは「ゆのの顔をしてるのにまつりの行動を描く」、加々見さんは「まつりの外見でゆのの性格を描く」ってことになるんですよ!? これは、イラストレーターさんたちの負担がハンパないってことに、途中で気づいて、さーっと青ざめました。 しかも、一瞬の入れ替わりじゃなくて、ゆのとまつり、ずーっと入れ替わりっぱなしなんだもん……!! 深海、アンタは鬼か!?


わーーーーっすみませーーーーーんっっっっ(土下座)。


私、あの時期は、ずーっとイラストレーターさんたちに土下座してましたよ……いや、深海アンタはずーっと土下座シテロ(怒)。


でも、この絵がスゴくて! ちがうイラストレーターさんの絵なのに、ちゃんとゆので、ちゃんとまつりで、同じ画面に収まっているという! このすごさよ!と。



まず、ページの構図のラフ(下描き)を榎木さんに描いていただいて。 『こちパっ!』のキャラを描いてもらったあと、のこりの空いたスペースに加々見さんに『スイッチ!』のキャラを描き込んでいただく……みたいなことをくり返して完成させていったんです。


当時、私、ちかくの席から、Aさんがお手玉のようにイラストのデータをリレーしながらコラボ本を作っていくのを見ていて……ふるえてました。


だからこその、この素晴らしい本が! 私にとって、ごほうびのような本です!


カバー見て、「制服もちゃんと入れ替わってる!?」ってなりましたもん。


すごい、かわいかったですよね。


『スイッチ!×こちらパーティー編集部っ! 私たち、入れ替わっちゃった!?』


このつづきは、「深海ゆずは×歴代担当編集スペシャル座談会 第4回」で読んでね。
第4回では、いったいどんなエピソードが・・・・・・?
お楽しみに!



第4回の対談は、3月30日更新予定だよ!